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2024年1Q、世界の半導体製造装置市場は停滞続く

 SEMIと半導体製造装置協会(SEAJ)は共同で調査している世界半導体製造装置市場データであるWWSEMS(World Wide Semicondutor Equiment Market Status)レポートの2024年第1四半期(2024年1~3月)の集計結果を発表した。

 

 同四半期の世界半導体製造装置市場は、264億2,000万米ドル。前年同期比2%減、前期比6%減となった。

 

 

 地域別で最大市場となったのは、中国125億2,000万米ドルで前年同期比倍増(113%増)、前四半期比3%増となった。中国では2023年後半から液浸ArFスキャナを中心にリソグラフィ装置の売上が急成長、市場を押し上げてきた。2024年1Qはエッチング、成膜などの装置の需要も拡大、大幅な市場成長につながった。

 中国に次いでいるのが韓国。市場規模は52億米ドルで、前年同期比7%減、前四半期比8%増となった。メモリ向け設備投資が抑制されたことから前年割れとなったが、2四半期連続で増加、回復傾向となっている。

 台湾市場は23億4,000万米ドルとなった。TSMCの設備投資が抑制されたことから、前年同期比(66%減)、前四半期比(28%減)ともに大幅に減少した。

 北米市場も18億9,000万米ドルとなった。台湾市場と同様に前年同期比(33%減)、前期比(29%減)ともに二桁減となった。ロジック関連の設備投資が抑制されたことが影響した。

 

 

 欧州市場は18億9,000万米ドルで、前年同期23%増、前期比18%増となった。自動車産業向けのパワーIC、ロジックIC向けの生産能力増強のために需要が拡大、市場成長につながった。

 その他市場は7億6,0000万米ドルで、前年同期比28%減、前期比14%減となった。世界的に半導体市場が停滞するなか、同地域での設備投資計画も見直されたことから、製造装置売上高もダウンした。

 

日本市場はダウンが続くが、日本製装置は回復続く

 日本市場は18億8,200万米ドルで、前年度同期比4%減、前四半期比では季節要因もあり33%減という大幅なダウンとなった。

 SEAJが発表している同四半期の日本製半導体製造装置の売上高は1兆1673億1800万円(3月の3か月移動平均×3)で、前年同期比8.5%増、前四半期比19.3%増となった。1~3月の各月の前年同月比も5.0%増、7.8%増、8.5%増と連続して成長、2023年11月以降前月増を続けており、回復傾向が明らかになっている。

 2024年4月の日本製半導体製造装置売上高(3か月移動平均)は3,891億600万円で、前年同月比15.7%増、前月比も6カ月連続で拡大が続いている。中国向け需要がけん引している。

 

半導体前工程工場の稼働率は低下続く

 半導体前工程の生産能力(300mmウェーハ換算)については緩やかではあるが拡大が継続している。2024年第1四半期には前期比1.2%増となり、第2四半期には1.4%増加の4,000万枚となることが予想されている。中国が全地域中で最も高い生産能力の伸びを記録していま。しかし、ファブ稼働率、特に成熟ノードの稼働率は依然として低迷しており、2024年前半に回復する兆しは見られないとしている。好調なメモリについても、価格維持のため生産調整を厳密に行っていることから、2024年第1四半期のメモリ工場の稼働率は予想を下回る結果となった。

 

 

 稼働率の動向を反映して、半導体の設備投資は引き続き慎重に推移している。同調査によれば、2023年第4四半期に前年同期比17%減となった後、2024年第1四半期も同11%減となった。2024年第2四半期は0.7%増となるとの見込みを示している。製品分野別では、メモリ関連設備投資の伸びが非メモリ分野を若干上回り、8%増と見込んでいる。

 SEMIの Clark Tseng市場情報担当シニア・ディレクタは、「AIチップと広帯域メモリは、現在最も需要が高いデバイスであり、これら分野の設備投資と生産能力の増加につながっている。しかし、AIチップは少数のサプライヤーに依存しているため、IC出荷増への影響は依然として限定的なものにとどまっている」としている。コメントしている。

 

 

 

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柴田浩一(Koichi Shibata)

IRUniverse 半導体産業担当記者

1985年から30年超にわたり半導体業界で、取材、記事制作、編集を行ってきた。

半導体関連の業界団体への協力も行っている。

 

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