UACJ 京大などとアルミリサイクルで新技術――2030年実用化目指す スリーナインレベルで再生
2024/08/01 12:08 FREE
UACJは京都大学などと共同でこのほど、使用済みのアルミニウムをスリーナインレベルで再生し続けることができる基礎技術を開発した。リサイクルを繰り返すうちに不純物が混入して品質が低下し、歩留り率が低下するこれまでのリサイクルループの課題の解決につながるとしており、2030年以降の実用化を目指す方針だ。軌道に乗れば、アルミ素材の国内調達率の向上につながりそう。
新技術はUACJと、京大、北海道大学、岩手大学、千葉大学と共同で開発した。特殊な溶液を使い電気を流すことで、純度が90%以下のアルミを99.9%以上のレベルで再生できるという。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託研究として、実用化を進める。
日本軽金属ホールディングスとも今後協力して、量産に向けた要素技術の開発にも取り組む。純度が99.9%以上なら、電子機器向けのコンデンサーや航空宇宙分野などへの製品にも使えるようになるという。
アルミは使用済み缶などを溶かして「再生地金」にする形で再利用が進んでいるが、不純物の除去にコストがかかることなどから徐々に品質が低下し、他の成分が多くなると廃棄され、埋め立て処分に回されている。新技術の開発により、処分されていたアルミも循環利用できるようになるほか、新地金に比べて生産時の電力使用量も4分の1以下に抑えることができるという。
(IRuniverse G・Mochizuki)
関連記事
- 2025/06/16 動き出す「金属盗対策法」――指定金属切断工具の隠匿携帯には罰則
- 2025/06/16 中国経済、5月は不動産が一段と悪化 物価も下落でデフレ様相濃く、貿易も振るわず
- 2025/06/16 アルミ合金&スクラップ市場近況2025#11 製品に下げ渋り気配、スクラップ高で調整色薄まる
- 2025/06/16 元鉄鋼マンのつぶやき#118 「サンチョウサカタ」
- 2025/06/16 豪Livium社 レアアースリサイクル推進へ 複数の抽出技術開発企業と協議中
- 2025/06/16 環境大臣政務官が、自動車リサイクルの最前線リバー川島・ELV川島事業所を視察
- 2025/06/16 LME Weekly 2025年6月9日-13日 米中貿易交渉の進展期待も中東情勢緊迫化でCu Ni下落、Al続伸
- 2025/06/15 LMEの現物と先物の鞘(6/13)
- 2025/06/15 2025年4月 アルミスクラップ輸出統計分析 アルミ合金スクラップは増加も、累計は大幅前年割れ続く
- 2025/06/13 DOWA子会社が村田製作所からサプライヤー表彰を受賞―リサイクル金属の循環スキームを共同構築