韓国ポスコ、豪黒鉛企業の20%取得 タンザニア産の安定供給、二次電池材料向け
オーストラリアの資源大手ブラックロック・マイニング(black Rock mining)は9月3日、自社ホームページ上で、「韓国複合企業のポスコ・グループが4000万ドル(約57億円)を投じ、同社の発行済み株式の19.99%を取得する」と発表した。ブラックロックはアフリカのタンザニアで黒鉛(グラファイト)採掘を手掛けており、ポスコは二次電池材料として黒鉛の安定供給を得る。
■タンザニアで黒鉛を生産する豪企業に出資
発表によると、ポスコは傘下のポスコ・インターナショナルを通じてブラックロックに投資する。投資資金はブラックロックが権益の84%を保有するタンザニアの黒鉛鉱山の開発費用に充て、ポスコは同鉱山で生産の微粉黒鉛について、長期にわたる調達権を得る。出資計画は規制当局の承認が必要となる。
プレスリリース:
■米中対立で電池原材料の供給元を多様化
タンザニアは金やウランの採掘が有名だが、黒鉛でも潜在力が大きく、埋蔵量では世界5位の規模だ。近隣のモザンビークとともに次代の主要生産国の1つとして知られ、2025年には大型鉱山2か所が操業を開始する予定。英豪企業などが早くから開発に取り組んでおり、特に中国が2023年12月に一部黒鉛の輸出規制を実施してからは注目が集まっていた。
世界の黒鉛埋蔵量と生産量
(出所:JOGMEC)
一方、韓国の電池メーカーはもともと正極材・負極材ともに材料となる重要鉱物の大半を中国からの輸入に頼っていたが、2022年から実施の米インフレ抑制法(IRA)を機に脱中国依存を進めている。例えばLGエナジーソリューションは米豪やチリ、SKオンが豪州やチリの企業とリチウムなどの供給計画を結んだ。電池生産のPOSCO Future Mを抱えるポスコもアルゼンチンや豪州、インドネシアなどでニッケルなどの調達契約を進め、タンザニアを巡っても2023年6月に正極材材料の調達で別の豪企業と提携した。
今回のポスコの動きは米中対立の影響の一環と言える。ただ、足元の球状黒鉛の価格はじり安の展開で、中国の輸出規制の後も供給不足を警戒したパニックは起きていない。
過去1年間の球状黒鉛価格の推移(99.95% min 17un max in china)(RMB/ton)
(IR Universe Kure)
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