アンチモン価格が最高値で高止まり 15日から中国輸出規制、品薄警戒ピークに
レアメタルの一種で半導体の材料となるアンチモン価格が高止まりしている。8月29日に$2万2520/tonと過去最高値を更新し、9月に入ってからも同水準で推移している。中国は9月15日からアンチモン鉱石や素材、精錬技術などを輸出規制の対象にする。かねて資源枯渇懸念があったところに輸出規制が加わり、品薄への警戒はピークに達している。
■三酸化アンチモンも最高値 樹脂価格全体への影響はまだ
輸出規制により、中国では9月15日以降はアンチモンを輸出する際に中国政府の許可が必要になる。アンチモンの全世界の生産量のうち中国産は約48%を占めている。
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アンチモンの化合物で難燃剤などに使われる三酸化アンチモンも同調した値動き。8月22日に$1万9850/tonと過去最高値を更新した。
過去20年間のアンチモン価格の推移(99.65% China)(99.65%min Fob China)($/ton)
一方、9月7日の日本経済新聞は、国内の樹脂大手の一部がアンチモン価格の値上がりを受けてABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)などの難燃剤価格を引き上げたと伝えた。ただ、ABSとPA66の価格は全体では数年に渡る横ばいからなお動きはなく、現時点ではまだ影響はみられない。
過去10年間のABS価格の推移(JPY/kg)
過去10年間のPA66価格の推移(JPY/kg)
■次の規制対象は? レアメタルのロシアンルーレット
中国は2023年のガリウム・ゲルマニウムを皮切りに、同年末の黒鉛(グラファイト)など矢継ぎ早に金属輸出規制を打ち出してきた。米国などによる半導体分野での制裁への対抗措置とされる。
国際エネルギー機関(IEA)は2023年7月に発表したレポートで、ガリウムなどの中国の輸出規制について「あまり知られていないニッチな鉱物の重要性を浮き彫りにし、これらニッチな鉱物の供給依存がサプライチェーン(供給網)を混乱させる可能性を示した」と指摘した。過去1年ほどで、特にマイナーメタルにおける中国依存への危機感は極度に高まったと言っていい。
このため、世界の関係者の間では、次の規制対象を巡る観測が浮上してやまない。多いのは世界の市場で中国が占めるシェアが大きなタングステンやマグネシウムなど。2010年に対日輸出規制の対象にしたレアアース(希土類)も再規制の予測が多い。
ただ、タングステンは、もともと中国は輸出を制限しているため西側諸国の間である程度のサプライチェーン(供給網)が確立されている。レアアースも以前の規制以降に脱中国依存が進んだ。中国側も対象鉱物を模索しているとみられ、思わぬマイナーな鉱物に焦点が当たる可能性もある。
(IR Universe Kure)
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