ハリス氏、重要鉱物の国家備蓄創出を公約 米大統領選、脱中国依存の方針強調
米大統領選の民主党候補、ハリス米副大統領は9月25日、米東部ペンシルベニア州ピッツバーグの講演で追加の経済公約を発表した。その中に重要鉱物の国家備蓄を創出することを盛り込み、バッテリーから防衛システムまで、あらゆるものに使用される材料の貯蔵が経済と国家安全保障のために必要であると述べた。
(出所:カマラ・ハリス公式ホームページ)
■重要鉱物の国内処理、製造業振興と対
米ブルームバーグ通信などの複数のメディアが9月26日までに伝えた。ハリス氏は9月25日発表の経済公約で、1000億ドル規模の経済支援を行うと表明。重要鉱物を巡っては、「新たなインセンティブと、冷戦時代の国防生産法に基づく緊急政府の権限の行使により、重要鉱物の国内処理を増やすことが求められている」との認識を示した。
ハリス陣営は声明で、「国内の製造業の振興は、同盟国やパートナーとともに、より強力な重要鉱物サプライチェーンを構築するための革新的で持続可能な措置と対になる。これには、重要鉱物の米国および同盟国の生産を拡大するための投資を奨励することなどが含まれる」と述べ、脱中国依存の方針を示した。
■鉄鋼は国内生産能力維持を USスチール念頭
9月25日の経済公約では、ハリス氏はほかに、鉄鋼業の近代化や人工知能(AI)、データセンターなど重点分野の投資や雇用創出を促す税制優遇措置を講じると表明。重点産業にはバイオ技術を活用した製造業や航空宇宙産業、クリーンエネルギーなどを挙げた。
ハリス氏は「新産業向けの鉄鋼を生産する米国企業は、経済だけでなく、国家安全保障の観点からも極めて重要になる」とも話し、「中国ではなく、米国が21世紀の競争に勝つ」と改めて訴えた。
また、これらの新興産業の「基礎的な部分の1つとして鉄鋼生産」を必要とするとも強調。講演後のテレビ局によるインタビューでは、日本製鉄によるUSスチール買収案を念頭に、「米国の労働者が米国で鉄鋼を製造する能力を維持することが重要だ」と述べたと伝わった。
(IR Universe Kure)
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