9月の銅の概況及び10月の見通し 橋本アルミ(株)橋本健一郎
予想レンジ
LMEセツル 9000-10000ドル ↑
建値 130万-154万円 ↑
為替 140~150円 (1か月間TTM) 円高
■国際概況
中国の景気不安から同国株式市場の代表的指数である上海総合指数が2月7日以来、約7カ月ぶり安値や8月の米小売売上高が強気な内容となったことでドル買い傾向が強まり売り優勢などのマイナス材料があったものの、
ECBの金利引き下げやFOMCで0.50%の大幅利下げ決定などを好感しUP
月末日 スタート価格から826ドルUPの9860ドル。
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
145.80 → 143.73(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると8月の自動車生産台数は前年比+0.8%の51万3187台
輸出は前年同月比-17.6%の27万6842台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると9月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-2.4%の27万4378台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
8月の新設住宅着工は,持家,貸家,分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比5.1%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比0.5%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 66,819 戸。
・前年同月比 5.1%減, 4か月連続の減少
○新設住宅着工床面積は 5,039千㎡。
・前年同月比 8.9%減, 4か月連続の減少
○季節調整済年率換算値では 777千戸。
・前月比 0.5%増, 2か月連続の増加
出典 国土交通省統計
【伸銅品生産】
8月伸銅品生産量速報値は4万4,050トン、前年同月比3.5%減少した。
8月より稼働日が減少した企業が多かったが、それでも2024年8月の伸銅品の生産量は、14品目中8品目が前年同月実績を上回った。
出典 日本伸銅協会
【日本電線工業会発の出荷速報(推定)】
前年比-10.3%の42100t
うち 国内-11.1% 輸出が +40%
出典 日本電線工業会
◆貿易関連指標
【輸出】
電気銅 +1.8%の6万5340t
スクラップ -32.6%の2万372t
輸出推移
【輸入】
電気銅 -80%の94t
スクラップ +60.4%の1万1819t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると8月の自動車生産台数は前年比+0.8%の51万3187台
輸出は前年同月比-17.6%の27万6842台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると9月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-2.4%の27万4378台
【住宅着工戸数】
8月の新設住宅着工は,持家,貸家,分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比5.1%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比0.5%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 66,819 戸。
・前年同月比 5.1%減, 4か月連続の減少
○新設住宅着工床面積は 5,039千㎡。
・前年同月比 8.9%減, 4か月連続の減少
○季節調整済年率換算値では 777千戸。
・前月比 0.5%増, 2か月連続の増加
【伸銅品生産】
8月伸銅品生産量速報値は4万4,050トン、前年同月比3.5%減少した。
8月より稼働日が減少した企業が多かったが、それでも2024年8月の伸銅品の生産量は、14品目中8品目が前年同月実績を上回った。
自動車の端子コネクタ向けの需要が増えて、銅条などの生産プラスを大きくけん引している。一方、半導体は、民生用の需要回復の話題が出てきているが、リードフレームの生産増加につながっていないため、伸銅品へのプラス効果が見えない。ルームエアコンの夏場の売れ行きは好調で、在庫も減ったが、在庫補充に繋がらない。住宅着工やリフォーム件数は低調である。データセンター向けの半導体や蓄電池関係の伸銅品需要に明るいニュースが張ってきている。
銅条
同比5ヶ月ぶりマイナス。夏季休暇を増やした会員企業が多く、稼働日の減少の影響も対前年比マイナス要因に加わっている。自動車端子コネクタ向けは引き続き伸びている。データセンターやサーバー向けの需要も良い。半導体向けは、デジタル機器や家電関係の需要回復が見えてこない。JEITAがパソコン買い換え需要増加を述べているが、伸銅品の需要は増加につながっていない。
黄銅棒
同比2ヶ月ぶりマイナス。新規住宅着工件数が伸びない。リフォーム関係は非接触の水栓と温水便座向けの需要が伸びている。しかし、ガス機器向けは、国が進める給湯器補助金による需要を期待したが、伸びて来ない。自動車の継ぎ手向けは、データ不正問題の影響を受けている。
【電線】
前年比-10.3%の42100t
うち 国内-11.1% 輸出が +40%
【輸出】
電気銅 +1.8%の6万5340t
スクラップ -32.6%の2万372t
【輸入】
電気銅 -80%の94t
スクラップ +60.4%の1万1819t
【見通し】
【自動車】
8月の自動車生産が+0.8%。9月国内販売台数が前年比-2.4%
販売が再び減少 生産は2カ月増加。
ここ数カ月増加減少を繰り返しておりコロナ挽回生産の目はなくこの水準での落ち着く。
【伸銅品生産】
8月伸銅品生産量速報値は4万4,050トン、前年同月比3.5%減少した。
8月より稼働日が減少した企業が多かったが、それでも2024年8月の伸銅品の生産量は、14品目中8品目が前年同月実績を上回った
自動車の端子コネクタ向けの需要が増えて、銅条などの生産プラスを大きくけん引している。一方、半導体は、民生用の需要回復の話題が出てきているが、リードフレームの生産増加につながっていないため、伸銅品へのプラス効果が見えない
【電線】
前年比-10.3%の42100t
うち 国内-11.1% 輸出が +40%
3カ月連続減少 今後に注視。
【スクラップ景況予想】
銅建値が139万から133万へ下落するも最終145万に回復
前月在庫分は伸銅品生産減 発生減から在庫薄
長期在庫分は相場の不安定により売れず買えずの膠着状態
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
1.中国の景気動向
預金準備率の引き下げや不動産市場に安定化を図る支援策を打ち出すなど一連の景気刺激策が中国経済を支える可能性が高いのではないか
2.米FRBの金融政策
予想通り9月のFOMCで0.5ポイントの利下げを行った。 その後 パウエルFRB議長は9月30日、米経済が堅調な足取りを維持していることから金利引き下げは「時間とともに」進むと発言。利下げはほぼ織り込み済みだが問題はその幅 雇用統計やイランイスラエル問題が台頭してるため利下げ幅縮小か?
これらを踏まえた今月の銅価格は 9000-10000ドル(セツル)との予想。
ドル円値は140円~150円(TTM)台を予測。
銅建値に関しては130万-154万円程度と予測。
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