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第1回「ヤード環境対策検討会」――千葉県の金属スクラップヤード条例 許可制効果で順調な滑り出し

 環境省は16日、第1回の「ヤード環境対策検討会」を開催した。WEB会議形式で行われた同検討会では、千葉県が4月1日から施行した「金属スクラップヤード等規制条例(千葉県特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例)」の運用状況について詳細な説明があった。設置を知事の許可制とした入口規制方式をとる同条例は、既存業者にも1年の経過措置期間内に許可申請・取得を求めているが、「県所管のヤード410カ所の大半が申請に動き出している」と順調な滑り出しをうかがわせる現状報告が県の担当者からあった。いま国の廃棄物処理法の規律付の枠外に置かれている金属スクラップの規制の在り方などを巡り、次回以降議論を深めていくことになった。

 

 千葉県によると、県内の金属ヤード数は24年9月末現在515カ所(速報値)あり、およそ3年で183カ所増えたという。同県内では千葉市、袖ケ浦市が先行してヤード規制条例を施行しており、県の所管はこのうちの410カ所になるという。全国ベースでみても、同県のヤード数は突出して多い。急増の背景については、2017年以降の中国による固形廃棄物の輸入禁止・制限措置の影響を指摘する。「禁輸措置以前は、中国国内で行われていた使用済みプラスチックや金属製の工業機器類の手解体や破砕等の作業が、輸出する前の日本で行われるようになった」からだ。

 

 

 千葉県に設置が集中している点については、①金属スクラップ等の購入に立地条件が良い②金属スクラップ等の売却に立地条件が良い③関東の他都県と比べて相対的に土地の価格が安い――点を挙げている。中国のリサイクル産業の一角に関東圏が組み込まれている実態も透けて見える。

 

 報告の中で、廃棄物処理法では対処できない現実も改めて見えてきた。以下の図で、それが確認できる。

 

 

 2017年の廃棄物処理法改正時に、リサイクル法の対象機器(大型家電4品目と小型家電28品目)を、「有害使用済機器保管等届出制度」を創設して、それまで廃棄物だけを対象としていた同法の枠組みに取り込んだ。しかし、不適切な管理で騒音、火災、悪臭の発生などにより、いま地域社会で問題視されている金属スクラップ類の保管態勢は、その規制の枠外に置かれている。行政の度重なる改善要請にも従わない事業者も少なくない。

 

 千葉県は許可の取消しや事業の停止命令を発出できる条例制定で、この部分を補強したわけだ。無許可営業や命令違反等には「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」の罰則も設けて、その実効性を担保している。

 

 担当者によると、条例施行後周知活動を展開する中で「(既存事業者で)許可申請手続きに全く乗ってこない事業者は(対象の410カ所のうち)10業者以下」で、許可制を柱にした条例効果が認められるという。

 

 

 今後検討会では、千葉県の報告なども踏まえて、適正なヤード運営の在り方を巡って、法改正も視野に入れながら議論を深めていく考えで、その際の論点として、次の4点がたたき台として上がった。ただ、委員からはリチウムイオン電池や太陽光パネルなども含めて幅広く議論する必要性が指摘され、調整することとなった。

 

 

 検討会は、2017年の廃棄物処理法改正の施行状況を点検するタイミングをとらえて、今年度設置されることになった。

 

 今後のスケジューリングについては、検討会が2回予定されており、それらを経て中間とりまとめが行われる運びだ。

 

 

(IRuniverse G・Mochizuki)

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