継続的な供給が、国内サプライチェーンの強靭化に繋がる――新金属協会令和7年賀詞交歓会
新金属協会は15日、都内で令和7年賀詞交歓会を開催した。諏訪邉武史会長は、「自動車需要の回復やグリーン・デジタル関連需要の拡大といった将来に向けての明るい話題がある一方で、足元においては、各種電子デバイスの需要低迷を受けサプライチェーン全体での在庫削減の動きが強まったことにより、調整局面が続いている」との認識を示した。また、「我々は、上流セクターであり、(我々の)継続的な供給が、日本のサプライチェーンの強靭化につながる。そこができるように関係者と協議していきたい」と展望についても言及した。
諏訪邉会長
諏訪会長は高機能素材分野を「長年にわたり日本のストロングポイントとして競争力を有している産業のひとつ」とし、「政府は国際情勢の緊張等を受けて、経済安全保障推進法により、半導体、永久磁石、重要鉱物などのサプライチェーンの強靭化を図る姿勢を鮮明にしている。このように新金属産業の取り扱う高機能素材は一層重要度を増しており、我々自身も安定供給の責務を果たすため、懸念国からの供給途絶に備える体制を築くことが大変重要になっていると認識している」と述べた。
今回は、第25回協会事業功労賞の表彰式も行われ、業界に貢献したとして3人が表彰を受けた。
受賞者の3人
来賓として挨拶に立った伊吹英明・経済産業省製造産業局長は、「生成AI、データセンターなどの需要が増えていくことが見込まれているので、半導体については、複数年度しっかり支援をしていける仕組みを次の国会で法案として提出されるだろう」とした。
伊吹局長
経済安保については「永久磁石などは(経済安保上の)特定重要物資に指定されている。例えば、生産能力を増強するとか、磁石であれば、省レアアースの開発、リサイクルを進展させたりすることが必要。また、国として、国家備蓄、代替源の供給の開発もしなければならない」などと語った。「昨年から(経産省の)鉱物課が、資源エネルギー庁から製造局に移った。川下の電子機器や自動車が足りなくなることに対してスピード感を持って対策していくためにそのような体制にした。補正予算の中でも大きな準備をしているので、リスク、代替供給源の開発などに力をいれてやっていきたい」と経産省としての展望も示した。
(IRuniverse G・Mochizuki)
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