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コバルト市場近況2025#5 横ばい、コンゴ政策見極めで様子見 需要の弱さ再認識

 2025年5月のコバルト市況は横ばい。生産国であるコンゴ民主主義共和国(DRコンゴ)の輸出規制の期限が迫る中、その後の展開を見極めたいとのムードが強まっている。一方で電気自動車(EV)用電池材料などの需要が引き続き弱いことが意識され、一段の買いを入れるエネルギーは乏しい。

 

 コンゴは2月22日から4か月間の期限でコバルトの輸出を停止した。発表通りなら6月22日に停止措置は期限を迎える。

 

関連記事: コンゴ、コバルト輸出を停止 22日から最少4か月間、価格下落に歯止め | MIRU

 

 期限後のコンゴの政策について、ロイター通信は5月14日、「コンゴの戦略的鉱物物質市場の規制管理局のパトリック・ルアベヤ所長がシンガポールでの会議で、さらなる制限を実施すると述べた」と報じた。

 コンゴの政策を巡ってはルワンダを背後に持つ反政府組織の制圧に向けた米国の関与も背景にあるだけに、関係者の間でも「(停止延長や輸出割り当てなど)何らかの規制が続くのではないか」(外資系商社の担当者)との見方が増えている。

 

関連記事:DRCコンゴはコバルト輸出禁止の期限が切れた後も輸出管理を継続する可能性 | MIRU

関連記事:コンゴ、米寄り一段と 米新興がリチウム資源を購入へ、政情安定支援引き換えに影響力拡大 | MIRU

 

 一方で、ロイターの記事に出たシンガポールの会議では、コンゴでコバルトを大量生産する中国の洛陽モリブデン業(チャイナ・モリブデン、CMOC)の幹部がコンゴ側に対し、輸出規制の解除を要請したとも伝わる。輸出規制の継続はコンゴにとっては税収減となるだけに、先行きを見極めたいとの様子見気分は強まっている。

 

■LGとLME、3月から高止まり

過去3か月間のLGコバルト (Co99.3%)($/LB)価格の推移

 ベンチマークとなるLGコバルトは5月22日に仲値$15.875/LBを付けた。3月下旬からほぼ横ばいで、2023年11月以来1年5か月ぶりの高値水準を維持している。

 

過去3か月間のLMEコバルト価格の推移($/ton)

 

 国際価格のLMEコバルトも5月24日に$3万3227/tonとなり、3月下旬からほぼ横ばいで推移している。3月中旬に$3万5000台後半に上げたが一服し、その後は動きがない。

 

■HGコバルト伸び悩み、硫酸コバルト小幅安

過去3か月間のHGコバルト (Co99.8%)($/LB) 価格の推移

 

 航空機向けなどのハイグレード品であるHGコバルトも上げ一服。5月22日仲値は$19.875と、5月上旬から横ばいだった。4月半ばに一時$20.15と、2023年1月以来2年3か月ぶりに節目の$20台を回復したが、続かなかった。

 

過去3か月間の硫酸コバルト価格の推移(20.5%min China)(RMB/Mt

 

 電池向けの硫酸コバルトはさらに勢いが鈍い。5月21日に仲値RMB4万5500と、それまでのRMB4万6500から値下がりした。関係者の間では「EV販売の失速に加え、車載電池もリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池といったコバルトフリー電池が浸透し、コバルト需要の7割を占める電池向けが回復する見込みが立たない」(日系商社の担当者)」との声があった。

 

■Topics

5月12日

 コバルト資産の運用を手掛ける英コバルト・ホールディングスPLC(Cobalt Holdings PLC)は5月12日、プレスリリースサイトで、ロンドン証券取引所への新規上場計画が進展したと発表した。

 

関連記事:英コバルト・ホールディングス、ロンドン上場へ 現物コバルトを運用、価格安定への動き強まる | MIRU

 

4月30日

 

 熊本大学は4月30日、ホームページ上で、「同大と東京科学大学、静岡大学、旭化成らの共同研究グループは、燃料電池の酸素還元反応に対して耐久性の高い非白金触媒の開発に成功した」と発表した。14員環コバルト錯体を用いることで、従来の鉄系触媒より耐久性を著しく高めることに成功した。

 

プレスリリース: 燃料電池触媒の非白金化へ前進 ~高耐久性コバルト触媒の開発に成功~ | 熊本大学

 

4月11日

 オーストラリアのコバルト企業コバルトブルー(Cobalt Blue)は4月11日、岩谷産業の豪子会社と、コバルト精錬所の建設で協力すると発表した。実現すれば同国初のコバルト精錬所になる。

 

関連記事: 岩谷産業と豪Cobalt Blue社 豪州初コバルト精錬所建設に向け最終投資前契約を締結 | MIRU

 

(IR Universe Kure)

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