Loading...

中国、レアアース鉱石でミャンマーに圧力か 関与拡大、環境汚染などの影響も

2025/07/10 17:59
文字サイズ

 中国がミャンマーへの関与を強めているようだ。7月8日のロイター通信が消息筋の話として伝えたところによると、中国がミャンマーの反政府軍に対し、地域支配を止めなければレアアース鉱石の輸入を停止するとの圧力をかけたという。ミャンマーと中国の資源面での関わりでは公害などの被害も報告される中、関係は一層深まる模様だ。

 

■反政府軍に諦め強要?

 ロイターによると、中国は5月、反政府組織であるカチン独立軍(KIA)に対し、ミャンマー北部のカチン州バーモの実効支配を諦めるよう通達し、止めなければ中国によるレアアース輸入を停止すると脅したという。中国はかねてミャンマーの政府軍を支援していた。

 

関連記事:ミャンマー内戦、世界に経済的影響拡大の兆し 中国が物流停止、反政府軍がレアアース生産地制圧 | MIRU

 

■メコン川のヒ素汚染、中国企業の鉱山開発が原因か

 ミャンマーは世界3位のレアアース鉱石の生産国。中国はレアアースの中間加工で世界の9割を握るが、原材料であるレアアース鉱石の多くをミャンマーから輸入している。特にカチン州は中国との国境に近く、中国とのレアアース貿易収入は、同地域にとって重要な地域収入でもある。

 

ミャンマーの金属生産と中国とのレアアース貿易

(出所:JOGMEC)

 

 中国のミャンマーの資源面での関与増大は、環境面の問題も引き起こしている。メコン川の流域4カ国で構成する水資源管理の国際機関のメコン川委員会(MRC)は7月3日、メコン川のヒ素汚染について「中程度に深刻な状況に達している」との警告を発した。

 

メコン川の水質を検査するMRC職員

(出所:MRC)

 

 原因はミャンマー北東部ワ州での違法な鉱山開発と推測されるという。ミャンマーの鉱山には、中国企業が土壌汚染に結び付く方法で開発しているとかねて指摘されていた。MRCは関係するラオス、ミャンマー、タイの各当局と連携して、河川モニタリングを進めるとしている。

 

(IR Universe Kure)

関連記事

新着記事

ランキング