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FDK 水素貯蔵タンク用高容量AB2型水素吸蔵合金を開発

~ 取り扱いやすさと高密度貯蔵を両立した水素吸蔵合金により水素社会のニーズに対応~
 FDK株式会社(代表取締役社長:長野 良)は、7月17日、水素エネルギー社会の実現に向けた水素貯蔵タンク用の新材料として、高容量AB2型水素吸蔵合金を新たに開発したと発表した。

 


<背景と技術の強み>
 FDKは1991年から34年にわたり、セキュリティ・車載・医療・家電など様々な用途向けに、「幅広い温度範囲で使用できる」、「充電して繰り返し使用できる」、「リサイクル性が高い(*1)」、「安全性が高い(*2)」といった特長を有するニッケル水素電池を製造・販売している。

 

 ニッケル水素電池の負極に使用される水素吸蔵合金は、一定量の水素を貯蔵する体積が、液体水素に比べ約1/2、高圧水素ガスに比べ約1/7になり、圧倒的な体積効率を有する。また、常温常圧に近い状態で水素を安定して貯蔵できるため、来るべき水素社会を支える重要製品として注目されている。

 

 2024年に、水素吸蔵合金の開発・製造を行なう包頭富士電気化学有限公司(BAOTOU FDK CO., LTD.)がグループ会社として加わり、同社とともに長年培ってきた電池用水素吸蔵合金の技術開発力で、水素貯蔵タンク用水素吸蔵合金の開発を進めてきた。

 

<新製品「AB2型水素吸蔵合金」の特長>
 現在、電池用途で主流であるAB5型水素吸蔵合金は、活性化(*3)の容易性や反応速度の速さ、リサイクルの容易性に優れる反面、重量当たりの水素貯蔵量が少ないため、より多くの貯蔵量が望まれるタンク用途には適していない。さらに、AB5型以外の水素貯蔵量に優れる水素吸蔵合金は、使用中に水素放出圧力が大きく低下する(*4)ものや、活性化(*3)プロセスが煩雑なものなど、使い勝手に問題があった。

 

 これらのニーズと問題に対応するために、同社は水素貯蔵タンク用として使い勝手の良い高容量AB2型水素吸蔵合金を開発した。

 

今回開発された「AB2型水素吸蔵合金」は、以下の特長を備えている。
* 水素貯蔵量の体積効率が液体水素の約2倍、高圧水素ガスの約7倍
* 重量当たりの水素貯蔵量がAB5型比で約20%向上
* 安定性に優れた水素放出圧力
* 使い勝手に配慮した活性化(*3)プロセス
* 日本の高圧ガス保安法適用外となる1MPa未満の低平衡圧(*5)仕様、および海外向けの1MPa以上の高平衡圧(*5)仕様のどちらにも対応可能
これらにより、「貯蔵量の少なさ」や「活性化(*3)の煩雑さ」といった問題を解消できるため、水素ステーション向け燃料電池向けなど幅広い水素貯蔵タンクに対応可能。

 

<今後の展開>
 同製品は、2025年7月より一部需要家向けにサンプル提供を開始し、2025年10月以降の量産出荷を予定している。また、2025年7月29日(火)~7月31日(木)に中国上海国家会展センターで開催予定の「国際水素エネルギー・燃料電池技術展示会」(http://www.expoquanqiu.com)においてAB2型水素吸蔵合金を展示する。


<水素貯蔵タンク用水素吸蔵合金の主な用途例>
水素ステーション、燃料電池、小型燃料電池モビリティなど向け水素貯蔵用タンク

*1:ニッケル水素電池はリサイクル可能なニッケルを多く含んでおり、使用後はステンレス材料などに再利用される。
*2:電解液が水溶性のため。
*3:「活性化」とは、水素を効率的に吸蔵・放出させるために行なう処理のこと。水素吸蔵合金は合金の状態ではほとんど水素を吸蔵しないため、水素吸蔵合金は使用する前に、活性化処理が必要になる。
*4:水素放出圧力低下が起きると、水素の放出流速の低下を招き、機器の安定動作に必要な水素量を得られない可能性がある。
*5:「平衡圧」とは、水素吸蔵合金が水素を吸蔵または放出する反応において、平衡状態となる水素ガス圧力のこす。水素吸蔵合金は周囲の水素ガスの圧力が水素吸蔵圧力以上であれば合金内に水素を吸蔵し、水素放出圧力以下であれば合金内の水素を放出する特徴がある。

 

(IR universe rr)

 

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