自然エネルギー財団は6月14日掲題の講演会を開催した。その要旨をまとめてみた。
財団理事長トーマス・コーべリエル氏
・ロシア侵攻に依るエネルギー価格高騰により、より一層再生エネルギーの競争力が増し、世界は再生エネルギーへのシフトを加速している。
・ドイツでは、既に補助金に依存しない再生エネルギーによる電力提案が現れて再生エネルギー事業の活性化も促進している。
・化石燃料に著しく依存し、エネルギー自給率の低い日本が何故は再生エネルギーへのシフトが加速しないのか疑問である。
都留文科大学高橋教授
・日本が目指すべきは、脱炭素ではなく、脱化石燃料だ。
・日本は過去20年間、原子力産業や火力発電などの産業を育成してきたMETIの自負心から、新たな時代の産業政策で新たな産業の創出へ転換が出来ない状況でMETI自身の産業政策の改革が出来ない状況ではないか
自然エネルギー財団大野氏
・日本は新しい時代に対応した新たな産業政策が立案出来ていない
・中東のサウジアラビアやエジプトなど産油国が既に2030年までに再エネ比率50%を目指している。その電力を欧州などで運ぶ国際電力網を受注したのは日立グループだ。日本の産業界も今の時代に対応する能力を持っているのではないか。
日本の危機は、エネルギーと食糧という経済の基盤というべき2大テーマが極めて不透明化し、かつ国際競争力の面で大きく後退している。
その上に政策立案部門にも政治部門にも優秀な人材が不足している。そんな中で自然エネルギー財団の活動だけは国際レベルの議論を必死なって発信しているように思える。
それだけ彼らは危機感を持っている。G7の国はアジアでは日本だけなどと思いあがった姿勢の政治家や官僚の皆様の知的水準が今の日本の危機を招いていると言っても過言ではない。
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片桐知己 記者
非鉄製錬会社で新規事業立上げ、早稲田大学理工学部客員研究員
趣味:チャリンコドライブ、日本酒蔵&美術館巡り
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