亜州金属網のデータによると、中国の炭酸リチウム価格は2023年4月26日、前日から1.21%上昇した。上昇は2022年11月以来ほぼ5か月ぶり。関係者の間では、とうとう底打ちしたのではないかとの期待が広がっている。
中国の炭酸リチウム価格の過去6か月間の推移(99.5% china)(RMB/mt)
MIRUのプライスデータでは中国の炭酸リチウム価格は横ばいだが、それでも底堅さを感じさせる推移となっている。足元の価格動向について、ネットニュースのmining.comは4月26日、「価格が底を打ったと見たトレーダーの一部が買いを入れている」とのアナリストの話を伝えた。「(中国の)バッテリーメーカーの在庫が減少しているとも伝わっている」といい、原材料価格の下支えの一因になっているようだ。
中国の炭酸リチウム相場は足元では高値17万5000元程度で推移している。2022年11月に付けた過去最高値(59万7500元)からは約7割も安い水準だ。4月26日には中国汽車協会の幹部が「急落は異常だ」と指摘するなど、中国内でも警戒が広がっていた。
一方、 金属鉱物資源機構(JOGMEC)は同日に開いた金属資源セミナーで、中国のレアアース価格について「電気自動車(EV)補助金終了で伸び悩んでいる」と指摘。「(中長期的に)中国以外での(企業の)新規投資にも影響する可能性がある」と話していた。
(IR universe Kure)