コバルト相場に復調の兆しが出ている。 世界最大規模のデリバティブ(金融派生商品)取引所である米CME金属先物取引市場で、コバルトの未決済建玉(open interest=OT)が4月25日に一時2万に達した。コバルト先物市場に投資資金が流入していることが察せられ、今後の価格上昇の先行指標となっている可能性がある。
LMEコバルトの過去6か月間の動き(US$/ton)
MIRUのプライスデータでは、LMEコバルトは3月下旬の高値1トン=3万3750ドルを底に、4月に入りやや回復している。まだ勢いが強いとは言えないものの、電気自動車(EV)の普及に伴う中長期的なコバルト需要の拡大が見込まれる中、コバルトに買いを入れる投資家が徐々に増えている可能性がある。
未決済建玉は先物取引において、約定後、決済日までに取引されていないポジション(建玉)のこと。売りの約定が増えても建玉の総数は増えるが、一般に建玉が増加し商品価格も回復傾向にあるならば、その商品の先行きを強気にみるトレーダーが新たな資金をこの商品に流入させていることを示し、後に価格が一段と上昇する兆しとされる。
(IR universe Kure)