アルミ部品を使った自動車生産は、鉄製のそれと比べて500ポンドも軽量化されたと話すのはオースティンAI.社(AAI:Austin AI. Inc.)のCEO Rick Comtois氏だ。いまや自動車のホイールはアルミが中心。歴史的には鉄、マグネシウム、アルミ合金へと変遷してきた。


(自動LIBSセンサーが使用済みホイールの分別を迅速化)
事実、廃自動車(ELV)リサイクルは特別な対応が必要になった。鋳造されたアルミ合金ホイールのシリコン濃度は低濃度5-6%から高濃度では15-16%まであり、範囲が幅広い。その為、使用済みホイールのリサイクル工程の溶解炉では、シリコン濃度が低いとシリコンの添加やシリコン濃度が高すぎる場合は薄めたりする為、溶解工程の費用が非常に嵩んでいる。
AAI社CEOのComtois氏は、”AAI特許のLIBSセンサー”を使用した分析分別装置が、この幅広いシリコン組成のリサイクル問題を解決してくれると語っている。
LIBSセンサーとは“質量励起レーザー誘起ブレークダウン分光法”laser-induced breakdown spectroscopyという長い名称の分析法で、非接触型の分析分別機器で、レーザー光でアルミ合金組成を分析する。分析原理は金属の表面へレーザー光を当て、プラズマ状態で原子を励起して発生する光を分析する事で、シリコンなどの元素の含有量を割り出し、ホイールの分別を効率化できる。
具体的には、一人の作業者が1分間で1ないし2本のホイールを分析が可能になり、一人の作業者の1時間の分別作業時ではホイール1.5tonの迅速な分別が可能になるとのこと。
日本国内でも富山のハリタ金属がLIBSセンサーを使用している。
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(IRUNIVERSE/MIRUcom)