韓国サムスングループの車載向けバッテリーメーカーであるサムスンSDIがハンガリーにある工場を拡張するとの観測が出ている。韓国業界紙のThe Elecが7月11日に消息筋の話として伝えていたが、8月に入り改めて情報が拡散している。独自動車大手のBMW向け供給とみられ、背景にはBMW向け供給を巡る中国企業との競争激化もあるようだ。
電気自動車(EV)専門ネットのelective.comなどが8月8日に改めて報じたところによると、サムスンSDIが拡張するのはブダペスト北部のグドゥにある工場で、5000億ウォン(約 550億円)を追加投資する。BMW側の要求に応え、直径46mm、長さ120 mmの円筒形バッテリーを生産する見通しだ。
円筒形バッテリーは、従来の角柱状バッテリーよりもエネルギー密度が向上し、経費節減になるとされる。今回、サムスンSDIが生産に取り組むのは大型タイプ。例えば米テスラなどは直径46mn、長さ80mnのサイズを生産している。
BMWは現在、ハンガリー第二の都市であるデブレツェンにEV工場を所有している。2022年に同じくBMW向けバッテリー供給を始めた中国電池メーカーの恵州億緯鋰能(EVEエナジー)もデブレツェン工場で円筒形バッテリーを生産する計画との観測がある。
(IR Universe Kure)