JX金属グループが米アリゾナ州メサ市で建設していた新工場が完成し、11月20日(現地時間)に開所式が行われた。新工場の稼働で、半導体の回路形成に使う金属薄膜材料用のスパッタリングターゲット事業の強化を進め、併せて新規事業の展開に弾みをつけるという。2025 年初頭をメドに本格的な量産を開始する予定だ。
JXの現地法人JX Advanced Metals USA, Inc. (=JXUSA) は主要顧客の先端半導体メーカーが集積するアリゾナ州で、半導体用スパッタリングターゲットの加工やカスタマーサービスを手掛けている。竣工した新工場は最新鋭の設備を導入、工程の自動化を実現しており、その本格稼働で生産能力の増強と生産性の向上を目指す。
既存の同州チャンドラー市にあるJXUSAの工場に比べ約6倍の広大な用地(敷地面積約26万m2)を有しており、「引き続き建屋の増築余力が十分にある」という。顧客ニーズに合わせて半導体用スパッタリングターゲットの生産能力を機動的に増強するとともに、さまざまな半導体材料や新規事業の拠点としても活用していく考えだ。
(IRuniverse G・Mochizuki)