海外企業の2024年12月期決算発表が出そろってきた。車載電池企業は長引く電気自動車(EV)販売低迷を受けて厳冬の様相だ。韓国のバッテリー3社が軒並み減収減益となり、世界最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)も初めての通期減収となった。1人気を吐くBYDも勢いは大きく鈍り、中国勢も含めて冬景色が広がった。
車載電池世界大手の2024年12月期決算概要
(社名は通称。売上高と純利益の単位はCATLとBYDは人民元、他は韓国ウォン。増減率は%で前年比増減。▲は赤字)
車載電池はCATLとBYDがそれぞれ約3割を占め、中国勢で世界の過半を占める。このうちBYDは電池メーカーからEV生産に発展した経緯があり、EVを垂直生産できる。低価格完成車の中国での販売堅調が支え、売上高が前の期比29%、純利益は34%それぞれ伸びた。しかし、伸びの勢いは2023年12月期の売上高42%増、純利益81%増からは大きく鈍った。
CATLは業績の開示を始めた2014年以来で初めて、通期での減収を記録した。コスト抑制などで増益を確保したものの、価格競争の痛手も大きかった。
韓国のバッテリー3社は軒並み大幅な減収。中でもSK ONは赤字が2倍に拡大した。
冬の時代は中韓勢だけではない。スウェーデン新興電池のノースボルトは3月12日に本拠地であるスウェーデンでの破産申請を発表し、経営破綻した。パナソニックが2月4日に発表した決算短信でも、電池部門であるエナジーの2024年4-12月期は売上高が前年同期比9%減の6453億円、純利益が16%増の963億円とやはり減収だった。
プレスリリース(パナソニック): News Release
(IR Universe Kure)