JX金属が東邦チタニウムを完全子会社化すると発表したが、プレスリリースの5ページには金属チタン事業を切り離す可能性にふれている。
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プレスリリースの5ページの最下段には、「金属チタンは、特に航空・宇宙分野において中長期的な需要拡大が見込まれている。東邦チタニウムは、航空機エンジン用途の高品質スポンジチタンの製造が可能な世界でも数少ないチタンメーカーの一つ。」として、「同社の金属チタン事業を今後も継続し、社会的使命を果たし続けていく上で、JX金属に加え、長期保有が可能かつ信頼できる株主による資本参画が、より安定した事業基盤の構築、企業価値向上に一層資するものと考えている」と掲載している。また、本文では、金属チタン事業を分社化(未上場)した上で、東邦チタニウムの既存株主であり重要な取引先でもある日本製鉄が資本参画することについて、同社と検討を開始しているとも記載している。
高純度チタンではJXが主要顧客であるが、スポンジチタンでは日本製鉄が主要顧客であり、日本製鉄は5%弱のシェアホルダーながら同社に役員を送り込んでいた過去もある。また、同社の若松工場は日本製鉄の八幡工場跡地を、活用しており、結びつきも強い。また、日本製鉄は神戸製鋼所のようにスポンジチタンを溶かすVAR炉(チタンインゴットを作る設備)を有していないため、同社のVAR炉や大型EB炉(国内では同社のみ)によるインゴットに頼っている。
IRUでは、金属チタン絡みを子会社化する際、JX金属と関連性があるニッケル粉(塩素で処理する点はスポンジチタン製造技術の応用であるが、設備が独立している)など、本体に残すものと思われる。一方、子会社化が考えられる金属チタン事業としてスポンジチタンに加え、その製造工程でできる四塩化チタン(触媒)や高純度チタンは、金属チタン事業として切り離されるのかもしれないと推測する。なお、最新のIRU調べによると同社の高純度チタンは、世界シェア50%程度を占めるNo1メーカーであると推測している。ライバルである大阪チタニウムテクノロジーズは3割程度と推測している。
とはいえ、金属チタン事業の切り離しは、決定しておらず、完全子会社化後の話である。
(IRuniverse 井上 康)