ユー・エス・エス(USS)が4月7日に発表を行ったデータによると、2025 年 1 ~3 月における同社の出品台数と成約台数は、それぞれ前年同期比111.4%、104%と大きく伸びている。成約率においては前年同期比で4.7ポイント減とやや低下気だが、出品台数・成約台数ともに増えている事から中古車の出荷量自体が豊富になってきていると言えるだろう。
同社が発表しているUSSグループ中古車オークション実績(速報)によれば、第4四半期において出品台数の増加が著しいのは福岡の1万819台、HAA神戸の9万2582台だ。それぞれが前年同期比22.1%と21.2%の増加であり、福岡については当期で10万台の大台を越えた形となっている。東京や名古屋といった都市圏でも相変わらず出品台数は大きく、東京は当期22万1040台と20万台を超える程の量だ。成約台数については全体では下落しているものの、東北やHAA神戸では前年同期比110%以上と高く、東京や名古屋でも100%を割ることなく好調に推移している。
通年で見れば出品台数、成約台数、成約率ともに上向きつつある状況であり、2024年4月から2025年3月のデータによると、それぞれ前年比で出品台数3.8%、成約台数8.0%の増加だ。成約率については前年比2.6ポイント増とやや上向きに伸びている。成約台数は214万5158台と200万台を超えており、それだけの数の中古車需要が変わらずに存在し続けていることを如実に示している。
また成約車両単価の平均値自体が上がりつつある事も注目に値する。3月の車両単価は曜日をあわせた期間の比較のデータを元にすると、前年同期が108万3000円であった所、111万6000円となり、1.5%の上昇を見せた。2024年4月から2025年3月の通年では105万5000円であった成約車両単価の平均値が、120万6000円と14.3%もの伸びを見せている。これだけの価格上昇にも関わらず成約台数が伸びているという事は旺盛な需要が存在している事の何よりの証左といえるだろう。
これから5月以降は成約率の伸びが期待される時期に入る。USSのさらなる進展と動きを注視する状況が続きそうだ。
(IRuniverse Ryuji Ichimura)