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米国でアルミと鉄鋼価格が急伸 パニック買い、4日からの50%関税で先回り

2025/06/03 13:11

 米国のアルミニウムと鉄鋼価格が急伸している。トランプ米大統領が米国時価間の5月30日、鉄鋼とアルミの追加関税を、6月4日から現在の2倍となる50%に引き上げると明らかにした。週が明けてパニック的な先回り買いが広がっている。

 

関連記事:米トランプ政権 鉄鋼、アルミの輸入関税をさらに引き上げ50%に 6月4日~ | MIRU

 

 ロイター通信などが6月3日に伝えたところによると、米国中西部の関税支払アルミニウムプレミアム価格は6月2日に1ポンドあたり0.58ドル、またはメートルトンあたり1279ドルと、前営業日の5月30日から54%も上昇した。miruのデータでも、米国アルミ新地金(P1020A)プレミアム(米国中西部)は2月から急伸し、過去10年間での最高値圏で推移している。

 

過去10年間の米国アルミ新地金(P1020A)プレミアム(米国中西部)(cents/lb)

 

米国はアルミの8割をカナダなどからの輸入に頼る。ロイター通信によると、米金融大手のゴールドマン・サックスは、「50%の輸入関税を完全に反映するためには、プレミアムを1ポンドあたり0.68ドルから0.70ドルに引き上げる必要がある」と述べたという。

 

 一方、米国の鉄鋼の輸入比率は2割程度で、鉄鋼はアルミほどの悪影響はなさそうだ。それでも米ブルームバーグ通信によれば、NYの商品先物市場(COMEX)の鉄鋼先物価格は6月2日早朝の取引で、一時、前営業日比8%超上昇した。miruのデータでは、米国の鉄鋼熱演鋼材の輸入価格がやはり2024年2月以来およそ1年3か月ぶりの高値圏にある。

 

過去3年間の米国鉄鋼熱演鋼材 輸入価格(CFR US)($/ton)

 

 

 トランプ米政権は既に3月に鉄鋼とアルミの関税を10%から25%へ引き上げている。今回の追加関税で、米国内では建築資材のコストがさらに上昇するとの懸念が強まっているという。

 

(IR Universe Kure)

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