中国レアアース磁石メーカーの江西金力永磁科技は6月11日、上場する深圳証券取引所の簡易報告蘭で、「米国向け輸出の認可を取得した」と発表した。6月10日までロンドンで行われた米中閣僚会議を経て、米中輸出規制の応酬はひとまず緩和方向に動き始めた。
■レアアース磁石などを欧米や東南アジアに
金力永磁の発表によると、輸出が承認された製品は、レアアース磁石、部品、モーターローターなどで、輸出先は欧米と東南アジア。同社は1-3月期の営業利益の6.94%を米国向け輸出が占める。声明中で、同社は「軍事事業に関与していない」と強調した。
現地メディアの大紀元(電子版)の6月12日報道によると、英洛華科技や中科三還などの他の磁石企業も、米国向け輸出の認可を取得した。
■商務省「引き続き法にのっとり審査」
一方、中国商務省の何亜東報道官は6月12日の定例記者会見でCNBCの記者の質問に答え、「米中両国は既に先の閣僚会議で貿易の枠組みについて合意した。次のステップとしては両国の意思疎通と誤解を減らすことが大切だ」と述べた。レアアースを巡っては「民間のニーズも考慮し、引き続き法にのっとって輸出を巡る審査と承認を進める」とした。
中国の輸出審査に関しては、英フィナンシャル・タイムズなどが、申請企業に対し機密的な情報の提出を求めるなど、不透明性も指摘されている。
(IR Universe Kure)