(ソース:Aurubis AG)
6月30日、世界有数の非鉄金属メーカーであり、銅リサイクル大手であるAurubis AGは、ドイツ・ハンブルク製錬所において、新たに革新的かつ全自動のサンプル前処理システムを稼働開始したと発表した。年間最大2万件のサンプル処理が可能で、同拠点におけるサンプル前処理能力は従来の2倍以上に拡大された。
同システムはモジュール式技術を採用しており、電子スクラップに加え、スラグ、触媒、スラッジ、鉱石精鉱、アノードスライムなど、ハンブルク拠点で扱うほぼ全ての試料に対応。グローバル市場において類を見ない高い汎用性を有している。
これにより、従来5日を要していたサンプル処理が最短1日まで短縮される。Aurubisの最高執行責任者(COO)Tim Kurth氏は「本システムにより、複雑な冶金プロセスの分野において、当社はさらなる先駆者的地位を確立する」とコメントした。
また、本システムは最新のフィルターおよび排気システムを備え、安全性および環境保護も強化。クローズドシステム内での完全自動化と認証システムの導入により、プロセスの信頼性も大きく向上した。
ハンブルク拠点の工場長Michael Jordan氏は、「処理時間の短縮と安定した高品質サンプルによって、サプライヤーにも直接的なメリットがもたらされる。この導入は、当拠点の自動化をさらに推進し、長期的な競争力の強化にもつながる」と述べた。
なお、同様のシステムはすでに2024年にルーネンのリサイクル拠点で稼働を開始しており、今回の導入はその成功事例を踏襲したもの。Aurubisは今後も他拠点への導入を進め、ハンブルクにおいてもさらなるサンプリング自動化を推進していく方針である。
(IRuniverse)