フィリピン最高裁(SC)は8月4日、ホームページ上で、住友金属鉱山のフィリピン子会社であるコーラルベイニッケル(Coral Bay Nickel Corporation 、CBNC、本社:フィリピン・パラワン州)に関し、付加価値税(VAT)の還付を認めると発表した。CBNCはVATを巡り、再三に渡り当局に控訴していた。
■経済特区内での取引かが焦点に
今回の裁判では、CBNCの企業活動が、フィリピン経済区庁(PEZA)が管轄しているエコゾーンと呼ばれる経済特区内での商取引かどうかが議論の対象になった。CBNCは税務署や裁判所などに「税還付があるはず」との控訴を再三続けていた。
ただし、最高裁はリリースで、CBNCへの措置は一種の例外であり、PEZAへの登録企業のすべてが還付対象になるわけではないとも釘を刺した。
プレスリリース: SC: PEZA-Registered Companies Not Fully Exempt from VAT – Supreme Court of the Philippines
■1月に完全子会社化、ニッケル・コバル ト混合硫化物を生産
VAT(Value Added Tax)は商品やサービスの取引に対して課される間接税で、フィリピンを含め欧州などでも広く採用されている。VATの最大の特徴は、「付加価値」に対して段階的に課税される点。最終納税者が消費者となる点は消費税にも似るが、まずは企業が負担する。フィリピンの場合は仕入れ時に支払うインプットVATと販売時に受け取るアウトプットVATを相殺し、その差額を納付する。
住友金属鉱山は今年1月にCBNCの発行済み株式を追加取得し、100%子会社としていた。CBNCはニッケル・コバル ト混合硫化物(Nickel/Cobalt Mixed Sulfide)の生産に特化した企業で、住友金属鉱山は2000年代から協業していた。
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(IR Universe Kure)