経済産業省は8月29日、ホームページ上で、「同省の武藤容治大臣が8月28日に、インド鉱山省との間で鉱物資源分野における協力覚書を締結した」と発表した。インドのモディ首相来日に伴う日印首脳会談の共同ビジョンの一環。
協力覚書の締結
(出所:経済産業省ホームページ)
■鉱業オークションや深海工業などで情報交換
プレスリリース:20250829006-5.pdf
覚書によると、協力内容は以下の通り。
(1)鉱物資源に関する情報交換(政策、規制、重要鉱物プロジェクトの共同開発の可能性、鉱業オークション、持続可能な深海鉱業、及び鉱物の抽出、加工、重要鉱物の在庫確保に関するその他の関連情報を含む)
(2) インド及び資源が豊富な国々における重要鉱物の探査、鉱業及び加工における共同投資を促進。
(3)参加者間で文書によって相互に同意されたその他の形態の協力も追求。
両国は合同作業部会(JWG)を構成し、定期的に会議やレビューを実施する。覚書の有効期間は5年間。参加者による決定がない限り5年ごとに自動更新され、終了には3か月前の周知が必要となる。
■JFEスチールや三井物産がインドで事業
石破首相とモディ首相と首相は8月29日、首相官邸で会談し今後10年間の協力の方向性をまとめた「共同ビジョン(展望)」を策定した。日本の対印民間投資額を10兆円とし、5年間で50万人の双方向の人材交流を目標とする。
また、同日開催の日印経済フォーラムでは、過去2年程度の間に締結された170件の民間覚書の発表があった。JFEスチールと印JSWとの方向性電磁鋼板の合弁会社設立や、三井物産によるインド金属リサイクル大手のMTC Business Privateへの出資参画などが含まれる。
もっとも、インドは全方位外交を掲げ、モディ首相は8月31日には訪中して中国の習近平国国家主席と会談。9月1日までの上海協力機構(SCO)首脳会議に出席した。
(IR Universe Kure)