海外資源企業の6月期決算が8月までにほぼ出そろった。2回に分け、まずは欧米企業の業績内容をまとめる。欧米の資源大手の場合、決算期は企業によってまちまちだが、6月末までを区切りとしてみると、変動は少ないか弱含んだ企業が多かった。鉄鋼を中心に製品価格が弱含む中、利益確保に苦労したことがうかがえる。
世界の資源大手の2024年6月期決算概要
注)名称は通称。通貨単位は億。ライナスは豪ドル、ティッセンクルップはユーロ、他は米ドル。数字の端数は四捨五入。▲は赤字
期間中は金が快進撃を続けたほかは、鉄鉱石や銅、アルミなどのベースメタル価格はほぼ落ち着いていた。一方で関税や輸出規制など国家間の政治的対立に金属が利用されるケースが増え、流通が混乱するなど実需だけでは測れない影響が広がった。
英豪リオ・ティントやスイスのグレンコアなど資源の巨大企業は売上高がほぼ伸びず、リオは減益、グレンコアは赤字拡大と最終損益も振るわなかった。ライナス・レアアースは4月以降に中国のレアアース輸出規制で漁夫の利を受けたが、中期決算には反映されなかった。
一方、アルミの米アルコア・コーポレーションは黒字転換。アルミ価格の堅調が業績を支えた、ドイツの鉄鋼大手ティッセンクルップは四半期では最終赤字となったが、9カ月間では増益を確保した。
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(IR Universe Kure)