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チタン鉱石輸入Report#75 チタン鉱石輸入平均単価緩やかに下落

2025/09/11 12:01
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チタン鉱石輸入Report#75 チタン鉱石輸入平均単価緩やかに下落

   日本のチタン鉱石輸入は、イルメナイト、イルメナイト以外ともに、輸入平均単価が2022年23年あたりをピークに緩やかに下落している。ただ、なかなか輸入量が伸びて来ない。また、かつて輸入先が多くあったが、ここ数年絞られて、2025年に入って一段と限定されてきた。

【1】イルメナイトチタン鉱石輸入概況

   財務省の貿易統計によると、2025年7月のイルメナイトチタン鉱石の輸入量1万トンだった。

  7月の同輸入平均単価は、キロあたり47.0円だった。前月より3.3円安だった。同輸入平均単価は、輸入量の少ない月を除いて見ても、2022年に一時70円台まで上昇した。しかし、その後、緩やかに下げており、2か月前には2021年以来の30円台まで下がった。

 

   2025年1-7月の同累計輸入量は5万8,335トン、前年比20.1%増加だった。同累計で見ると、2年連続の増加となった。その前は2年連続の減少となった。

   今回7月の輸入は、全てインドからのものだった。依然として、2025年に入ってから、インド、モザンビーク、オーストラリアの3地域からの輸入だけで賄っている。2019年にも、この3地域以外からの輸入が少ないことがあった。ただ、それでも年間を通して見ると、この年にも3地域以外からの微量の輸入があった。

 

  税関別に見ると、今回7月も大阪だった。2022年までは、小名浜や宇部を含めた5税関に輸入があったが、23年以降、宇部の輸入が途絶えている。2025年に入って、小名浜、神戸、四日市の輸入が途絶えて、全て大阪に入荷している。

【2】イルメナイト以外のチタン鉱石輸入概況

   財務省の貿易統計によると、2025年7月イルメナイト以外チタン鉱石輸入量は1,744トンだった。

   7月の同輸入平均単価は、キロ当たり162円、前月より2円安だった。こちらも毎月大きく上下動しながらも、全体的に見ると2023年をピークに緩やかに下落している。

 

   2025年1-7月の同累計輸入量は、10万3,224トン、前年比24.1%減少だった。同累計で見ると、3年連続の減少だった。

   2025年に入ってからのイルメナイト以外のチタン鉱石の輸入先は、南アフリカ、カナダ、インドの3地域に集中している。昨年まで輸入があったシエラレオネ、ベトナム、ウクライナからの輸入が途絶えている。

 

    2025年7月のイルメナイト以外のチタン鉱石の主な輸入先と輸入量、キロ当たりの輸入平均単価は以下の通りである。

インド            1,504トン161円(2円安)

南アフリカ            140トン156円(22円高)

セネガル                100トン

   2025年7月のイルメナイト以外のチタン鉱石の主な輸入税関と輸入量とキロあたりの輸入平均単価は、以下の通りである。  

東京                   120トン153円

横浜                   504トン198円

神戸                 100トン191円

四日市           1,000トン142円

門司                 20トン170円

 

※記事内のグラフ・図表は、財務省の貿易統計データをもとにMIRU.comにて作成 (IRUNIVERSE/K.AKIYAMA)

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