アフリカ中部のガボン共和国の鉱山資源省は9月12日、ホームページ上で、「日本の金属企業であるアジア・ミネラルズ(AML)との間で、同国でのマンガン合金事業について合意した」と発表した。2029年1月1日に40万トンのマンガン合金を処理する規模の事業を行う。
ガボンは9月8日に鉱物処理のための統合プロジェクトの監視を担当する省庁間委員会を設立したばかりだった。同国を訪問していたAMLの代表団と協議した。
世界のマンガン生産シェア
(出所:JOGMEC)
ガボンは世界5位のマンガン生産国。アフリカでは南アフリカ共和国に次いで2位の生産量を誇る。主産業は原油で、三菱商事が同国での液化天然ガス(LNG)事業に従事している。マンガンは同国にとっても原油に次ぐ主産業の1つだ。ただ、近年は2023年にクーデターが起きるなど政情に不安定さも目立つ。
一方、AMLは1993年に香港で創立したマンガン貿易・生産の老舗企業だ。主にアフリカ産マンガンを中国に輸出する業務を手掛け、マレーシアなどにも工場を持つ。2025年春に本社機能を香港から東京に移転したため、国際的には日本企業として扱われる。日本本社の企業として邦銀による支援やエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)など公的支援の対象にもなっている。
(IR Universe Kure)