2025年9月16日、(一社)日本鉄鋼連盟が2025年7月の特殊鋼熱間圧延鋼材・生産・消費・在庫内訳を発表した。
2025 年7月のステンレス鋼熱間圧延鋼材(鋼板・鋼帯)の生産量は13万4,078トンと なり、前年同月(12万377トン)比では11.4 %増となった。消費(鋼板・鋼帯)も11万2,350トンと11 万トン台に増加したものの、月末在庫は、12万2,426トンと、2023年7月以来の最大在庫に達した。Cr系の月末在庫が増加した。
<ステンレス熱間圧延鋼材(鋼板・鋼帯)生産:7月>
7月のステンレス熱間圧延鋼材生産量(鋼板・鋼帯)の鋼種別内訳をみると
Cr系生産量は前年同月(5万4,725トン)比15.0 %増の6万2,935トン(前月は5万3,135ト)、
Cr-Ni系(304系)は同(4万9,974トン)比8.9 %減の4万5,514トン(前月は4万4,572トン)、
Cr-Ni-Mo系 は同(6,861トン)比17.8 %増 の8,085トン(前月は5,178トン)、
その他系は同(1万6,978トン)比3.3 %増の1万7,544トン(前月は1万7,492トン)と、
前年同月比では、Cr-Ni系のみが減少した。 前月比では、すべての鋼種で増加した。
<ステンレス熱間圧延鋼材(鋼板・鋼帯)消費:7月>
7月のステンレス熱間圧延鋼材の 消費(鋼板・鋼帯)は11万2,350トン(前月9万9,128トン)と前月比では13.3 %増と増加し、11万トン台となった。
消費(鋼板・鋼帯)鋼種別では、
Cr系消費量は前年同月(5万197トン)比4.4 %増の5万2,455トン(前月は4万7,860 ト)、
Cr-Ni系(304系)は同(4万209トン)比6.0 %減の3万7,801トン(前月は3万2,522トン)、
Cr-Ni-Mo系 は同(2,572トン)比25.6 %増 の3,230トン(前月は3,377 トン)、
その他系は同(1万7,617トン)比7.0 %増の1万8,854トン(前月は1万5,369トン)と、
前年同月比では、Cr-Ni系のみが減少した。 前月比で減少したのは、Cr-Ni-Mo系だった。
<ステンレス熱間圧延鋼材 月末在庫:7月>
7月末ステンレス熱間圧延鋼材の月末在庫は、12万2,426トン(前月末在庫11万603トン)と前月末から1万1,823トン増加した。在庫量は12か月連続で10万トンを上回って推移している。
鋼種別では
Cr系が3万6,392トン(前月2万5,761トン)、
Cr-Ni系は5万8,959トン(前月5万7,625トン)、
Cr-Ni-Mo系は1万7,448トン(前月1万6,194トン)、
及びその他系が9,627トン(前月1万1,023トン)となった。
その他系のみが、前月比で減少した。
第1報は、下記ステンレス鋼(熱間圧延鋼材)の生産・消費・在庫をご覧ください。
ステンレス鋼材国内市場近況2025 #35 2025年7月 熱間圧延鋼材生産・消費・在庫
第1報より、表1 ステンレス鋼鋼熱間圧延鋼材生産・消費・在庫内訳(鋼種別・形状別)を参考に示す。
表1 ステンレス鋼鋼熱間圧延鋼材生産・消費・在庫内訳(鋼種別・形状別)令和7年7月分

<鋼種別熱間圧延鋼材 生産量推移>
ステンレス鋼(熱間圧延鋼材)鋼種別(Cr系、Cr-Ni系、Cr-Ni-Mo系及びその他系)生産量推移を図1に示す。
月率換算を右軸に示す。その他系にはCr-Mo及びCr-Mnが含まれる。

折れ線グラフ:月換算(右軸)
図1 ステンレス鋼(熱間圧延鋼材)鋼種別生産量推移 (経産省統計、2023年1月より鉄鋼連盟統計)
2025年度7月のステンレス鋼(熱間圧延鋼材)生産量の鋼種別内訳では、
<Cr系>
Cr系が7万9,997トン、前月6月(6万9,033トン)比で15.9 %増[24年7月(6万4,733トン)比23.6 %増、23年同月(7 万3,855トン)比8.3 %増、22年同月(8 万4,911トン)比では5.8 %減]と、前月比、前年同月比及び23年同月比では、増加したが、22年同月比では減少。
7月のCr系生産量は、7万トン台となり2024暦年の月換算量6万9,222トン及び2024年度の月換算6万9,831トンを共に上回った。
<2024年の状況>
・2023年度第4四半期(2024年1~3月)のCr系生産量は、20万4,428トンと、前年同期(21万1,771トン)比、3.5 %減となった。月換算量では6.81万トン。
・2024年度上半期のCr系生産量は41万342トンと、前年同期(40万7,008トン)比、0.8 %増となった。月換算量では6.84万トン。
・2024暦年のCr系生産量は83万666トンと、前暦年同期(81万817トン)比、2.2 %増となった。月換算生産量では6.92万トン。
・2024暦年上半期(2024年1~6月)のCr系生産量は41万4,390トンと、前暦年同期(42万4,513トン)比、2.4 %減だった。月換算生産量では6.91万トン。
・2024年度第1四半期(2024年4~6月)のCr系生産量は、20万9,962トンと、前年同期(21万2,742トン)比、1.3 %減となった。月換算量では7.00万トン。
<2025年の状況>
・2025暦年上半期のCr系生産量は42万5,311トンと、前年同期比、2.6 %増となった。月換算量では7.09万トン。
・2025年度第1四半期(2025年4~6月)のCr系生産量は、21万3,579トンと、前年同期比、1.7 %減となった。月換算量では7.12万トン。
Cr-Mo系、Cr-Mn系については実際には生産はあるが、生産企業が1社に絞りこまれることで具体的な生産量は公表されていない。
<Cr-Ni系>
Cr-Ni系(304系)は6万6,838トン、前月2025年6月(6万5,937トン)比で1.4 %増[24年7月(7万3,628トン)比9.2 %減、23年同月(5万9,397トン)比では12.5 %増、22年同月(7万9,611トン)比では16.0 %減]と、前月比及び23年同月比では増加したが、前年同月比及び22年同月比では減少した。
7月のCr-Ni系(304系)生産量は、2024暦年のCr-Ni系(304系)生産月換算量6万7,975トン及び2024年度の月換算量6万8,243トンを下回った。
<2024年の状況>
・2024暦年上半期(2024年1~6月)のCr-Ni系生産量は39万8,347トンと、前暦年同期(33万4,275トン)比、19.2 %増となった。月換算生産量では6.64万トン。
・2024年度第1四半期(2024年4~6月)のCr-Ni系生産量は、20万2,609トンと、前年同期(16万8,864トン)比、20.0 %増となった。月換算量では6.75万トン。
<2025年の状況>
・2025暦年上半期(2025年1~6月)のCr-Ni系生産量は38万9,346トンと、前暦年同期比2.3 %減となった。月換算生産量では6.49万トン。
・2025年度第1四半期(2025年4~6月)のCr-Ni系生産量は、19万395トンと、前年同期比、6.0 %減となった。月換算量では6.34万トン。
<Cr-Ni-Mo系>
Cr-Ni-Mo系は1万5,985トン、前月2025年6月(1万3,249トン)比で20.7 %増[2024年6月(1万5,728トン)比4.6 %増、23年同月(1万5,313トン)比4.4 %増、22年同月(2万6,438トン)比では39.5%減]と、前月比、前年同月比及び23年同月比では増加したが、22年同月比では減少した。
7月のCr-Ni-Mo系生産量は、2024暦年のCr-Ni-Mo系生産月換算量1万3,945トン及び2024年度の月換算量1万4,272トンを共に上回った。
<2024年の状況>
・2024暦年上半期(2024年1~6月)のCr-Ni-Mo系生産量は8万2,686トンと、前暦年同期(11万8,363トン)比、30.1 %減となった。月換算量では1.38万トン。
・2024年度第1四半期(2024年4~6月)のCr-Ni-Mo系生産量は、4万2,209トンと、前年同期(5万5,325トン)比、23.7 %減となった。月換算量では1.41万トン。
<2025年の状況>
・2025暦年上半期(2025年1~6月)のCr-Ni-Mo系生産量は9万2,185トンと、前暦年同期比、11.5 %増となった。月換算量では1.50万トン。
・2025年度第1四半期(2025年4~6月)のCr-Ni-Mo系生産量は、4万5,788トンと、前年同期比、8.5 %増となった。月換算量では1.53万トン。
<その他>
その他は2万1,095トン、2025年6月(2万1,306トン)比で1.0 %減[2024年7月(2万1,244トン)比0.7 %減、23年同月(1万9,034トン)比10.8 %増、22年同月(1万8,449トン)比では14.3 % 増]と、前月比及び前年同月比では減少したが、23年度及び22年同月比では増加となった。
7月のその他生産量は、2024暦年のその他生産月換算量1万9,360トン、2024年度月換算量1万9,043トンを共に下回った。
<2024年の状況>
・2024暦年上半期(2024年1~6月)のその他生産量は11万2,197トンと、前暦年同期(11万2,082トン)比、0.1 %増となった。月換算量では1.9万トン。
・2024年度第1四半期(2024年4~6月)のその他生産量は、5万4,592トンと、前年同期(5万8,492トン)比、6.7 %減となった。月換算量では1.82万トン。
<2025年の状況>
・2025暦年上半期(2025年1~6月)のその他生産量は11万474トンと、前暦年同期比、1.5 %減となった。月換算量では1.84万トン。
・2025年度第1四半期(2025年4~6月)のその他生産量は、5万6,671トンと、前年同期比、3.8 %増となった。月換算量では1.89万トン。
<2018年1月~2025年7月 鋼種別生産量推移>
図2には、平成30年(2018年)1月~平成7年(2025年)7月までのステンレス鋼熱間圧延鋼材鋼種別月別生産量の推移を示す。

図2 ステンレス鋼(熱間圧延鋼材)鋼種別生産量 月別推移(経産省統計、2023年1月より鉄鋼連盟統計)
<2019年2月~2025年7月 鋼種別生産量・在庫量推移>
図3には、ステンレス鋼 熱間圧延鋼材の生産量と在庫量の推移を示す。

図3 ステンレス鋼 熱間圧延鋼材(生産・在庫)(経産省データ、2023年1月より鉄鋼連盟)
各種鋼材の生産量は棒グラフ、在庫量及び生産量の小計は折れ線グラフで示す。
生産量の小計は、
2021年(令和3年)8月までは緩やかに上昇傾向を示したが、2022年(令和4年)に入ってからは20万トン台を前後して推移した。
ところが2023年(令和5年)に以降2024年は、減少して17万トン台を最高として16万トン台を前後。
2025年5月は2022年以降で最高の18万トン台に達した。6月は16万トン台に戻したが、再び7月は18万トン台となった。2025年は僅かに上昇傾向を示している。
一方、小計の在庫量は微増傾向を維持していたが、2023年5月末からは13万トンを下回って推移。
2023年9月末及び10月末在庫量は10万トンを下回り、11月末は10万台、その後、6か月連続で11万トン台を推移したものの、2024年6月及び7月は10万トンを下回った。
2024年8月からは10万トン台と11万トン台を推移していた。2025年8月には、在庫量は12万トン台となった。2023年7月以来となる。
図4 に鋼種別生産及び在庫量の推移を示す。

図4 Cr系、Cr-Ni系及びCr-Ni-Mo系(熱間圧延鋼材)の生産及び在庫量推移
Cr系の2025年7月末在庫量は前月(2万5,761トン)から1万631トン増加して3万6,392トンとなった。前年同月末(2 万2,639トン)比では60.8 %増。
Cr-Ni系の2025年7月末在庫量は前月(5万7,625トン)から1,334トン増加して5万8,959トンとなった。前年同月末(5万1,103トン)比では15.4 %増。
Cr-Ni-Mo系の2025年7月末在庫量は前月(1万6,194トン)から1,254トン増加して1万7,449トンとなった。前年同月(1万6,212トン)比では7.6 %増。
その他系の2025年7月末在庫量は前月(1万1,023)から1,396 トン減少して9,627トンとなった。前年同月(9,218トン)比では4.4 %増。
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