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レゾナック プラのケミカルRによる低炭素アンモニア事業拡大

2025/10/06 17:13 FREE
レゾナック プラのケミカルRによる低炭素アンモニア事業拡大

~2030年、使用済みプラスチック由来の原料100%化へ~

 株式会社レゾナック(代表取締役社長 CEO:髙橋秀仁)は、川崎事業所(神奈川県川崎市)におけるアンモニア事業において、使用済みプラスチック由来の水素のみを原料とすることで、アンモニアの低炭素化を図ることを決定した。2030年4月からの設備稼働開始を計画している。

 

 同施策は、経済産業省の脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給および利用の促進に関する法律に基づく「価格差に着目した支援」(以下、価格差支援)の対象事業として2025年9月30日付で認定された。価格差支援へは、同社アンモニアの需要家である株式会社日本触媒(代表取締役社長:野田和宏 )と共同申請した。

 

 現在、同社・川崎事業所では、①「使用済みプラスチックをガス化ケミカルリサイクル(同社では“川崎プラスチックリサイクル(KPR)”と呼称)によって得られる水素(以下、使用済みプラ由来の水素)」及び②「都市ガスを改質することによって得られる水素」を原料にして、アンモニアを製造・販売している。


 

 今回①使用済みプラ由来の水素のみを原料にしてアンモニアを製造することで、同社の国内生産アンモニアの低炭素化を目指す。既存プロセスを基盤としながら、新たなプロセスの開発・導入により、実現する計画。また、2024年から、使用済みプラスチックに加えて使用済み衣料も原料として実証実験を開始している。これにより、アンモニアの誘導品であるアクリロニトリルを繊維メーカー等へ供給することで、衣料の資源循環の実現も目指している。


 

 使用済みプラ由来の原料100%化により、副生品である炭酸ガスも含め、低炭素化・資源循環が可能な環境価値の高い製品を供給できる。これにより、同社の事業強化ならびにサプライチェーン全体での産業競争力強化を目指す。

 

 同社はプラスチックケミカルリサイクルのKPR事業を2003年から推進。KPRは、長期にわたって商業的な安定運転を継続している世界で唯一のガス化ケミカルプラントになる。また2023年には使用済みプラスチックを原料の一部とする水素・アンモニア・アクリロニトリルの3製品に対して、ISCC PLUS認証を取得している。同施策導入後も引き続きISCC PLUS認証の取得、ならびにサステナブル製品の継続的な供給を目指す。

 

川崎プラスチックリサイクル(KPR)プラント 

                            

【プラスチックケミカルリサイクル事業(KPR)について】

 使用済みプラスチックなどを原料に、高温でガス化して分子レベルまで分解し、水素と炭酸ガスを取り出す。化石燃料を使わずに運転することができ取り出した水素は、主に同社内でアンモニアの原料となり、合成繊維、合成樹脂、化学肥料、火力発電所などの窒素酸化物脱硝材などに使われる。一方の炭酸ガスは、大気中に放出することなくレゾナックのグループ会社のレゾナック・ガスプロダクツでドライアイスや炭酸飲料などの原料として利用される。2022年には累計プラスチック処理量が100万トンを超えた。


 

(IR universe rr)

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