
栗田工業は15日、独自のDLE(=直接リチウム抽出)技術を開発・保有する英のEvove への出資を7日(日本時間)に完了し、筆頭株主として同社のDLE技術の世界的独占使用権を取得したと発表した。併せて同日、英スタートアップのNorthern LithiumとEvoveの技術の活用で連携し、3社で英で初の商業規模ベースでのリチウム供給を目指すことでも合意したという。
EvoveのDLEシステムは、独自の膜技術とイオン交換技術を融合させた共生プロセスを活用することで、従来のリチウム抽出方法と比較して、エネルギー、水、化学物質の使用量を大幅に削減できるという。
栗田ではDLEを巡る新規事業の可能性について調査を進める中で、EvoveのDLE技術 に着目。2024年から、同社と共同でDLE技術の評価と市場調査を実施する中で、同社への出資を決めたとしている。2027年度を目標にDLEプラントの拡販体制の立ち上げを目指す予定だ。
また、Northern Lithiumとの間で、高度なDLE技術を活用した英初の商業規模のリチウム供給に向けたパートナーシップ(以下「本パートナーシップ」)を結ぶことでも合意、EvoveのDLE技術を中心に栗田が設計・製造するモジュールをNorthern Lithiumの英ダーラム郡の拠点に設置して、2027年に年間500トンの商業生産を開始。2035年までに年間2万トン規模への引き上げを目指すという。
(IRuniverse G・Mochizuki)