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東京製鐵:26/3期の業績見通しを1Qに続き2Qでも下方修正

2025/10/17 18:15
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東京製鐵:26/3期の業績見通しを1Qに続き2Qでも下方修正

 10月17日15時15分、東京製鐵は本日14時に発表した26/3期2Qの決算発表を受けて説明会を開催した。説明に使われた資料はこちら。また、決算発表と同時にIRUの推測通り業績見通しを下方修正した。

 

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 ⇒「東京製鐵:本日決算発表、25年度下期業績見通しを推測してみた

 

<26/3期2Q実績>

〇上期実績

 売上高は1,338億円(前年同期比23.2%減)、営業利益60.4億円(同56.6%減)と大幅減益となった。また、会社計画の売上高1,395億円(計画対比4.0%減)、営業利益71.0億円(同14.9%減)の未達となった(図表*。参照)。

 減収減益となった要因は、国内での建設分野における施工能力の減少による製品出荷数量の減少(151.7万トン→136.1万トン:国内116.2万トン、輸出19.9万トン)。製品出荷数量(生産量)の減少による製品トン当たり固定費が増加したことが主因。

 

〇製品出荷数量の推移:説明資料の5ページを参照

 今上期の輸出比率が12.8%、輸出量は19.9万トン。うち板類が16.3万トン。

 四半期でみると2Qの輸出比率が9.4%、輸出量は6.2万トンうち板類が4.5万トン。

 また、上期の鋼板と条鋼の割合は、36%、64%。条鋼の内訳は形鋼34%、棒鋼2%、鋼板の内訳は薄板が46%、厚板18%と高い数値となった。

 四半期2Qの鋼板と条鋼の割合は、61%、39%と鋼板が高い数値となった。条鋼の内訳は形鋼36%、棒鋼3%、鋼板の内訳は薄板が44%、厚板17%と厚板がかなり良い値となっている。

 

〇製品出荷価格・鉄スクラップ購入価格・メタルスプレッドの推移:説明資料の6ページ参照

 製品出荷角は1Q対比1,100円/トン下落と右肩下がり。鉄スクラップ購入価格が下落したことでスプレッドは200円/トン拡大した。なお、鉄スクラップ価格の足元の上昇等については後ほど説明。

 

図表1、製品出荷価格・鉄スクラップ購入価格・メタルスプレッドの推移(千円/トン)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

〇営業利益増減要因(前上期vs今上期):説明資料の7ページ参照

 数量的に15.7万トン減少(151.8万トン→136.1万トン)となった。売上単価も1.44千円/トン下落(110.1千円/トン→95.7千円/トン)。鉄スクラップ単価は9.2千円下落(51.9千円/トン→42.7千円/トン)。スプレッドは5.2千円/トン縮小(58.2千円/トン→53.0千円/トン)。スクラップの恩恵を凌駕するぐらい売上単価の下落が大きかった。

 営業利益が▲79億円(139億円→60億円)となったが、スプレッド要因▲70.7億円が主因。あと、数量減に伴い固定費の増加が響き、コスト要因として▲21.8億円(修繕費、人件費・労務費関係も高くなっている)。

 なお、計画対比は説明資料の8ページ。1Qvs2Q対比は同9ページを参照(ここでは割愛する)。

 

<26/3期業績予想>

〇外部環境

 対米関税の決着による需要底打ち期待というものも実際にはある。特に建値を下げて以降、底打ち感がだいぶ出てきている。また、ユーザーも戻ってきているので、今後上昇機運が出てくるのかなと楽観的見方がある一方、鉄スクラップ単価の近々の上昇懸念もあり、両睨みで行くと思う。

 

〇下期想定

 具体的な計画として販売数量が上期の136.1万トンに対し下期は2万トン増えるとみている。売上単価は上期95.7千円/トンに対し下期93.0千円と、建値を下げているため、それが効き始めるため、2.7千/トン下落。また、鉄スクラップ単価は上期の42.7千円/トンだったが、下期は44.0千円/トンと上昇でみている。ゆえに下期のスプレッドは49.0千円/トンと上期に対して4.0千円/トン縮小すると想定。

 この結果、営業利益は35億円と、上期対比▲25億円と想定した。スプレッドの縮小が主な要因となる。下期の電力料金は(上期対比)4%程度下がり、コスト面でも上期に対しやや改善する見通しだが、スプレッド収縮分は賄えない状況。

 通勤の営業利益増減については説明資料の13ページを参照。前回見通しと今回見通し増減要因は同14ページを参照。なお、下方修正理由は以下の通り。

 今2Qにおいて、国内での建設分野における人手不足による施工能力の減少の影響など、製品出荷数量が想定を下回ったことに加え、生産数量の減少による固定費負担の増加を受け、期間利益は計画を下回った。今後の見通しについても、国内の製造業では、自動車の対米関税問題が決着したものの、需要の先行きについては不透明感が続くことや、円安影響による鉄スクラップ価格の上昇が収益を圧迫することが懸念される。同社においても 9 月 16 日に公表いたした 10 月契約において、これまでの製品市況を反映した出直し価格の提示を余儀なくされるなど、予断を許さない経営環境が続き、採算重視の方針を徹底し、販売単価の値戻しに注力するとともに、各原材料使用原単位の見直しなどのコスト低減を継続していく。なお、資産の売却を見込み当期利益は然程下回らない見通し。

 

図表2、26/3期業績見通し(百万円、千トン、千円/トン、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

<株主還元>

 説明資料の15ページを参照

 

<Q&A>

 建材需要に回復の兆しが見えないことや中国の安値鋼材輸出の影響など厳しい環境が続く見通しであるため、27/3期の業績は、単純に今下期の倍の70億円程度にならないのか、など厳しい質問があった。

 会社側は、来期のことなのではっきり言えないとしながら、H形鋼を例にとって、これまで人手不足で動いていなかった地方で動き始めており、早ければ年内、年明けには需要が出てくると説明。製品についても鉄スクラップ価格が足元上昇しているので値戻しも考えていきたいが、価格が厳しい状況が変わらない。グリーン鋼材については、景気は関係ないとして、鋼板類は、使うユーザーが増えてきていると回答。

 

<参考>

図表3、四半期別業績推移(億円、千トン、千円/トン)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

 

(IRuniverse 井上 康)

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