インドネシア政府は鉱物資源の採掘管理を継続する構えだ。同国のバーリル・ラハダリア・エネルギー鉱物資源相が10月15日のイベントでのスピーチで、資源枯渇を防ぐ方針を示したと伝わった。同国はニッケル鉱石の輸出を2020年から禁止しているが、当面解除される気配はない。
現地紙テンポ(TEMPO.CO)が10月16日に伝えたところによると、バーレル氏はスピーチで、同国政府は「将来の世代の利益に目を向けた天然資源の責任ある利用を求める」と話した。採掘企業に対しては「規制に従い、持続可能性を優先し、環境への影響を最小限に抑える必要がある」とし、「鉱業管理は適用される原則を遵守しなければならず、環境に害を及ぼしてはならない」とも述べたという。
■ボーキサイトには再開観測も、望み薄か
インドネシアはニッケルで世界首位、錫が2位の資源国。単純な資源輸出国から製造立国への転換を目指し、2020年にニッケル鉱石の輸出を禁止した。ただ、現実には密輸が横行したほか、加工業の促進のために外資を引き入れた結果、中国企業が同国のニッケル産業を席巻する事態になっている。
関連記事:中国企業がインドネシアのニッケル精錬能力の約75%を支配
インドネシア側にとっても、輸出禁止は収入減となり苦しい措置だ。同国はニッケルのほかにボーキサイトや錫、銅精鉱などにも輸出規制をかけるが、ボーキサイトを巡ってはしばしば輸出再開観測が浮上する。
それでも、今回の論調から推察されるところでは、インドネシア政府としては鉱石輸出への厳しい態度を緩めるつもりはないとみられる。
■フリーポート事故で銅は思いもよらず「禁止」に
なお、 銅精鉱は2025年から実質的に輸出を禁止したものの、米資源のフリーポート・マクラミンが大型鉱山で採掘する製品を特例として輸出を許可していた。しかし、同社のインドネシア銅鉱山は8月に事故を起こし一部を除いて操業を停止している。思わぬ形で政府意向に沿う皮肉な事態となっている。
関連記事:フリーポートのグラスバーグ鉱山 事故で一時的に操業停止
関連記事:米フリーポート、事故の銅鉱山は27年までに操業再開 犠牲者収容を完了、銅価格は上昇
(IR Universe Kure)