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SiCが年平均20%以上の高成長―パワー半導体市場動向

2025/10/27 11:22
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SiCが年平均20%以上の高成長―パワー半導体市場動向

1  パワー半導体市場動向 

2022年から2025年にかけて、パワー半導体市場は年平均約5〜7%で成長しているが、その中でSiC(炭化ケイ素)パワー半導体はこれを大きく上回り、年平均20〜30%の高成長を続けている。ただ、2024年はEV市場の停滞で一時的に鈍化したが、2025年後半から再加速が見込まれている。表1-1,1-2参照

表1-1: パワー半導体市場の成長率(2022〜2025年)

 

表1-2: SiCパワー半導体の成長率(2022〜2025年)

 

SiCはEV用途が全体の8割弱を占める。おもにトラクションモータSCU,OBC(On-Board Chargerの略で、EVやプラグインハイブリッド車PHEVに搭載される車載充電器のことで)、外部のAC電源家庭用100V/200Vや公共充電スタンドから電力供給を受けとり、車両のDCバッテリーに充電する。SiC MOSFET, SiC SBDなどのパワーデバイスと制御ICで構成される。

 

 

2 世界のSiC(シリコンカーバイト)パワー半導体ランキング

表2:世界のパワー半導体売上ランキング

 

表2は2024年度、世界のSiCパワー半導体企業ランキングである。Siを含めたすべてのパワー半導体ランキングではNo3にInfineon Technologiesがトップであるが、SiCではSTマイクロエレクトロニクスが約$1,360Mである。1位から7位までは欧米、日本企業で占められているが、8位、10位には中国企業が進出している。しかもBYDは2025年には約$900Mと予定されており、2位あるいは3位に飛躍するものと思われる。これはEV向け社内供給と外販拡大によるものである。ソース:TechInsights, QYResearch, 富士経済レポート(2025年)

なお、ここで注意を要するのが、欧米や日本ではAEC-Q101 をクリアしなければ販売できないことが多い。

一方、中国のEVメーカーはAEC-Q101準拠に“必ずしも縛られているわけではない”。特にBYD、NIO、XPeng、Geelyなどの国内系OEMは、自社設計・自社評価基準を優先する傾向があり、AEC-Q101は参考基準として扱われることが多い。これはEVメーカーが中国域内で販売する場合は、安価なデバイスを購入することが可能であるということである。後日個々のSiCのデバイス価格が欧米日メーカーとどの程度価格差があるかを説明する。

ここではSiCデバイスで標準的な製品であるSiC MOSFET、①650V,50A,②106A,③150A, ④750V, 50A, ⑤750V,150A,⑥1200V, 50A,⑦1200V,104A、7種類の価格差がどの程度であるかを調査した。その結果をグラフ1に示す。

 

     グラフ1:SiC MOSFETのグローバル4社と中国メーカーとの価格

 グラフ1補足説明

  1. B, Dは欧米メーカー、Cは日本のメーカー D、Eは中国のメーカーである。

中国メーカーはSiCインゴット、ウエハ価格がグローバル企業の60%程度で安く購入することができる。またウエハからパッケージまで一貫製造することで安価なSiCデバイスを供給できるようだ。

 

 

(IRuniverse 椿匡之)

 

 

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