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廃棄物から高価値を生み出す豪州産マイクロファクトリー技術 E-Wasteからプラスチックフィラメントなど

2025/10/29 11:47
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廃棄物から高価値を生み出す豪州産マイクロファクトリー技術 E-Wasteからプラスチックフィラメントなど

米国ワシントンのホワイトハウスでは10月21日、米トランプ大統領と豪アルバニージー首相がレアアースを含む重要鉱物に関する協定に署名を行ったが、同日、豪州の首都キャンベラのナショナル・プレスクラブでは、ニューサウスウェールズ大学(UNSW)のVeena Sahajwalla教授による講演が行われ、政策立案者、産業界、地域社会に対し、豪州の廃棄物に対する新たなビジョンを受け入れるようにとの訴えがあった。同大学のWebサイトにこの報告が掲載されているほか、豪現地メディアもこの様子を報じている。

 

UNSWのVeena Sahajwalla教授は、同大学の持続可能材料研究技術センター(SMaRT)の所長も務めており、業界ではマイクロファクトリー(MICROfactorie)という概念の先駆者として国際的に認知されている人物でもある。マイクロファクトリー技術とは、様々な独立したモジュールを用いて、ガラス、テキスタイル、プラスチックなどの問題のある廃棄物を新たな付加価値材料・製品へと変換する、いわば、廃棄物から高価値を生み出す革新的なモジュール式リサイクル技術。UNSW構内に複数設置されているほか、業界や地域団体もこのモジュールを導入し始めているという。

 

実際にこのマイクロファクトリーモジュールを使って行われているリサイクルの具体例には、廃棄マットレスを綿状・繊維状に加工したうえでガラスなどの廃棄物と混合し、耐久性に優れた低炭素の“グリーンセラミック”タイルを生産したり、E-Waste(電子廃棄物)から3Dプリント用“再生可能資源”としてのプラスチックフィラメントを作ったり、再生アルミニウムを新たなエアゾール缶に生まれ変わらせたり、といったものが挙げられる。

 

産業界、企業ともに、現在はまだ同モジュールの導入初期段階のようだが、Sahajwalla教授は普及をさらに増やし、全国の都市や町、地方コミュニティに、地域の廃棄物流と雇用ニーズに合わせて同モジュールを設置する構想を持っているという。また、豪州政府、或いは国家への要望としては、大学研究が現実世界のインパクトに繋がるようにさらなる努力をしなければならないと述べ、豪州国内で生まれた持続可能技術を複数採用することで手本を示し、国内研究開発に投資する企業を報いるよう求めた。

 

なお、廃棄物関連のニュースを取り扱う豪Waste Management Reviews紙(10月22日)は、同氏の今回の講演内容を「UNSW:豪州の廃棄物を米国の重要鉱物に変える方法とは」といった見出しでレポートしており、そのタイトルからはとりわけE-Wasteや鉱物系のリサイクルに注目が集まっている様子が伺える。

 

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(IRUNIVERSE A.C.)

 

 

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