DRAM市場動向:CXMT( ChangXin Memory Technologies)の市場規模
ChangXin Memory Technologies(CXMT)のDRAM事業は、2025年現在、DDR4からDDR5・HBMへの急速な移行期にあり、中国政府の戦略支援のもとで世界市場におけるシェア拡大を進めている。
- DDR4撤退とDDR5・HBMへのシフト
CXMTは2026年中頃までにDDR4の生産を段階的に終了し、DDR5とHBM(High Bandwidth Memory)に注力する方針を固めている。この動きは、中国政府のAI・クラウドインフラ強化政策と連動しており、国家戦略の一環と見られている。
- 価格戦略と市場影響
CXMTはDDR4を米国メーカーの半額以下で販売し、価格競争を激化させていたが、撤退の噂が広まるとDDR4価格が1カ月で2倍以上に急騰。この供給逼迫は、他社の戦略にも影響を与えている。
1 技術力と製造能力
・1-1 CXMTのDDR5の製造技術
CXMTは16nmハーフピッチのDDR5 DRAMを開発し、Glowayなど中国ブランドのモジュールに搭載されている。ただし、SamsungやMicronに比べて約3年の技術的遅れがあると指摘されている。
•1-2 品質課題
2025年Q1に提供されたDDR5サンプルは、高温環境での安定性に課題があり、摂氏60度を超えると動作が不安定になるケースも散見されたという。これはサーバー用途など高信頼性分野では致命的な弱点となり得る。
•1-3 生産能力
2025年末までに月産30万枚のウェハー能力を達成予定で、DRAM市場シェア15%を目指している。これはMicronに迫る規模であり、DRAM市場の勢力図を塗り替える可能性がある。
2 DRAM市場世界のトップ10社
2024年の世界のDRAM販売高トップはSamsung Electronicsであり、占有率は41%となった。2位は同じく韓国SK Hynixで33.8%となっている。3位はアメリカMicron technologiesで21%であった。上位3社で全体の95%程度を占めている。4位は中国のCXMTで1.4%であるが、CXMTは2025年の伸びは著しく、3位のMicron Technologiesと肩を並べるのではないかとみられている。
表1は2023年~2024年のDRAM

表1 2023~2024年世界のDRAM販売高(IRUniverse推定)
米国制裁の回避と日本企業との連携
米国のエンティティリストには含まれておらず、東京エレクトロンなど日本企業との関係が制裁回避の一因とされている。次表はCXMTのDRAM事業の現状と展望を整理したものである。
| 項目 | 状況 |
| DDR4 | 段階的に撤退中(2026年中頃まで) |
| DDR5 | 技術的課題あり、但し量産加速中 |
| HBM | HBM3開発中、AI市場向けに注力 |
| 生産能力 | 月産30万枚、世界シェア15%目標 |
| 技術力 | Samsung/Micronに比べ約3年遅れ |
| 国家支援 | 中国政府のAI戦略と連動 |
| 国際関係 | 日本企業との連携で制裁回避 |