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アルミ合金&スクラップ市場近況2025#20 国産品ADC下値でも400円水準に――420円水準目指し、合金メーカーとダイカストメーカーの攻防激化

2025/11/04 17:42
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アルミ合金&スクラップ市場近況2025#20 国産品ADC下値でも400円水準に――420円水準目指し、合金メーカーとダイカストメーカーの攻防激化

 国内アルミ合金・スクラップ市況は、原料高を背景に製品安に修正の動きが見られている。国産ADCは4日現在、10月中旬比安値10円高のキロ当たり400‐415円で推移している。LME相場の上げ基調を映し、スクラップの市中買値やメーカーの原料買取価格ともにつれ高となっており、4日に発表があったA社のメーカーの原料買取は、10月後半比25円上げと急騰している。原料高に加え、競合品である輸入塊の価格も水準を切り上げ、国産品に追い風が吹く状況だが、ダイカストメーカーの需要は依然低調。前人未到の420円を目指し、合金メーカーとダイカストメーカーの攻防が激化している模様だ。

 

 

 主要スクラップ市況は4日現在、上物の2S新切、63(ビス無)はそれぞれ10月中旬比10円高のキロ当たり350円、同355円と続伸の動きを見せている。「発生薄に加え、高値圏で動くLME相場や円安が要因。また、軽圧向けで集荷を強めているのだろう」(地方合金メーカー)という。裾物のアルミサッシ(ビス付き)は同比12円高の同325円、UBCは同比安値・高値ともに5円高の同297‐302円の水準で推移している。スクラップ相場を底上げするLME相場は4日現在(現地時間)、トン当たり2,903ドルで推移しており、同比約150ドル値を上げている。

 

 

2S新切り相場

 

アルミサッシ63(ビス無)・ビス付きサッシ(プレス品)相場

UBC相場

LMEアルミ相場

 

 スクラップの代替品として合金材料に使われる国内ベースメタルは4日現在、10月中旬比5円高のキロ当たり360‐365円の水準で推移、原料逼迫を映した形だ。海外原料のゾルバ(Metal97~98% CIF China)は同日現在、同比横ばいのトン当たり2,100‐2,150ドル。一方、ロシアAK5M2は同日現在、同比安値・高値ともに50ドル高の2,430‐2,450ドルと値を上げており、こちらも国内市況と同じくLME相場やスクラップ発生薄が要因だという

 

 

国内ベースメタル相場

 

ゾルバ(Metal97~98% CIF China)相場

 

ロシアAK5M2相場

 

 11月前半の大手合金メーカーの原料買取価格は関東・関西ともに、裾物が5円、上物が25円上げで推移している。上物に大きな水準訂正が見られるが「LME相場の上げが背景にある。また、製品である国産ADCが値を上げているので、問屋は価格が合わなければ原料を売らず、問屋・メーカーの原料取引は、売り手市場の色合いが強い。」(市場関係者)という。

 

 製品の国産ADC12は、4日現在、10月中旬比安値10円高の400‐415円の水準にあり、「原料高や円安による輸入塊の高騰が、安値の一段上げを生んだ。ダイカストメーカーの需要は依然弱く足元、安値ベースでの上げにとどまっているが、今後、高値ベースで420円は必達目標だ。」(大手合金メーカー)。

 

 

国産ADC相場

 

 一方、国産品の競合品である中国産ADCは4日現在、10月中旬比安値・高値ともに40ドル高のトン当たり2,590‐2,610ドルで推移している。1ドル=153円で換算すると、中国産ADCは、キロ当たりおよそ411‐414円(諸掛り込み)になる。マレーシア産も同比20ドル高の同2,580ドル、一方のインド産は2,575ドル。「国産品との値差が、縮まっている状況で、そういう意味でも同製品の底上げをしなければならない」(同)といった市場心理が漂う。

 

 

中国産ADC相場

 

 ダイカストメーカーの需要が弱い中、為替やLME相場・輸入塊の高騰が製品相場を支えている状況。今週は大手自動車メーカーの先物入札が予定されており、こちらも国産品のスポット価格にも影響を与えそう。「(製品の値上げを実現するため)いまが、合金メーカーの今年一番の頑張り所」(合金メーカー)との声も挙がっており、合金メーカーとダイカストメーカーの攻防が、一層、熾烈化しそうだ。

 

 

 

(IRuniverse G・Mochizuki)

 

 

 

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