26/3期予想をトランプ関税影響等の緩和で2.7%増収10.7%営利増に増額も、再増額期待
株価4909円(10/31) 時価総額48225億円 発行済株982383千株
PER26/3期DO予(28.4X)PBR(2.68X)配当還元率60% 配当利回りDO予2.1%
要約
・26/3Q2は前期比2.1%増収7.6%営利増とロボット、FA堅調、米国増で上振れ着地
・26/3期予想をトランプ関税影響等の緩和で2.7%増収10.7%営利増に増額も、再増額期待
・27/3期はFA中心に売上拡大、ロボットも回復期待で増収増益続く
26/3Q2は前期比2.1%増収7.6%営利増とロボット、FA堅調、米国増で上振れ着地

10/31に26/3Q2決算発表、同日電話会議が開催された。26/3Q2は売上高2112億円(7/25予想比100億円上振れ、同期比9.5%増、Q1比7.6%増)、営業利益435億円(同45億円上振れ、同2.1%増、同2.6%増)、受注高2053億円(同10.6%増、同0.3%減)と収益上振れ着地した。但しBBレシオは0.97とQ1の1.05に対し再度1割れとなり力不足の展開に。
地域別売上をみると、同期比では米国・中国が伸長、前期比(Q1比較)ではアジアが減少もその他地域は増加、特に米州が24.8%増となった。米国は597億円(同期比18.3%増、前期比24.8%増)。主力のロボットが411億円(同期比22.0%増、前期比29.2%増)と関税影響がQ1では同期比21.1%減と調整したものの、関税問題の改善でQ2は反動増もあり伸び率が高まった。中国は550億円(同期比26.3%増、前期比3.2%増)とFAが212億円(同期比14.0%増、前期比15.8%増)と、中国政府のNC工作機械比率向上政策などもあり好調に推移した。ロボットも212億円(同期比87.6%増、前期比3.7%減)とEV向けが好調に推移、一般産業向けも無人化・省人化ニーズで高水準を保った。ロボマシンは119億円(同期比8.5%減、前期比2.5%減)とスマホ向けなどが伸び悩み低調な動きに。欧州は365億円(同期比0.7%増、前期比6.0%増)と主力のロボットが184億円(同期比3.2%減、前期比5.1%増)と自動車関連が低調もボトムはつけた模様。日本は271億円(同期比7.6%減、前期比6.5%増)とFAが122億円(同期比4.2%増、前期比0%増)と工作機械受注の伸び悩みで回復の遅れが目立つ。


製品別売上では最大部門のロボットが916億円(同期比16.0%増、前期比13.2%増)と24/3Q4以来の900億円超となった。米国の好調、中国もEV向け、一般産業向けで堅調だった。FAも542億円(同期比5.4%増、前期比9.1%増)と、24/3Q3をボトムに回復、24/3Q2の514億円以来の500億円超に回復した。中国でNC化促進政策の効果などで上伸、日本も工作機械受注ボトム打ちなどが寄与している。ロボマシンは296億円(同期比6.4%増、前期比12.9%減)と40%を占める中国のNC工作機械化促進が寄与も、ロボショットなどはスマホ向けなど低迷、ロボカットは欧米、インドで堅調な伸びを示した。
受注面で見ると、地域別では国内を除き同期比増加も前期比はまだら模様に。中国は507億円(同期比9.5%増、前期比13.7%減)と、同期比ではNC化促進などでFA、ロボマシンなどが伸長した模様も、EVの伸び悩みなどで多少天井感も。BBレシオもQ2は0.92と1割れとなっている。米州は561億円(同期比24.4%増、前期比3.3%減)とトランプ関税の影響でQ1の後ろ倒しがQ2に寄与し、Q2は大幅増となった。Q2累計では22.8%増と省人化などのニーズが高く、円安メリットも寄与した模様。BBレシオは25/3Q1以降1を上回っていたが、Q2は0.94と低下、先行き景気の不透明感が影響していると見られる。日本は279億円(同期比7.6%減、前期比7.3%増)、BBレシオは25Q4より1を上回っており、ボトムは確認したとみられるが、本格回復とは言い難い水準が続いている。

製品別受注ではロボットが918億円(同期比38.5%増、前期比1.3%増)と25/3Q4から3四半期900億円超となり、23/3Q4の1094億円以来の受注額となった。在庫調整の進展、世界的な省人化投資などで堅調な受注の伸びが続いているが、EVなどの設備増強見直し、世界的な景気減速懸念で本格拡大には時間を要するとみられる。またロボット工業会の統計で業界との比較では、ファナックは業界数字を下回っていたが、ここに来て挽回、同社の生産調整の影響が一巡したとみられる。FAは488億円(同期比1.3%減、前期比11.4%減)と中国のNC化推進特需が継続しているはずも、中国でのシェアが下がっている懸念があり、国内工作機械受注も伸び悩みもみられることが影響しているとみられる。またBBレシオも26/3Q1で1.11となったがQ2は再度0.90と1割れとなり、回復の遅れが気がかりな状況にある。


利益面では上振れとなったが、売上総利益率は1.6ポイント悪化し37.4%となった。増収効果で稼働率の向上から20億円の増益寄与があったものの、円安に伴う未実現利益の減少があったため微増益を確保するに留まった。

26/3期予想をトランプ関税影響等の緩和で2.7%増収10.7%営利増に増額も、再増額期待
会社側では上期の収益上振れを考慮し、下期もトランプ関税の影響が多少収まるとの見方で、上方修正した。具体的に26/3期予想を売上高8188億円(7/25計画比118億円増額、2.7%増、営業利益1759億円(同164億円増額、10.7%増)予想とした。部門別、市場別予想の開示はないが、全体的に増額となる見通しとのこと。下期には新製品投入効果もあるとみられ、円建てながら円安で為替競争力はプラスとなる見通しで下期も利益増額が見込まれ、26/3期修正収益予想に対し、多少の増額が期待される。
27/3期はFA中心に売上拡大、ロボットも回復期待で増収増益続く
27/3期は自動車ではEVに対する設備投資の見直しなどの影響が懸念されるものの、一方でHEVや高効率エンジン車等への投資が期待でき、緩やかな設備投資増が見込まれる。加えて半導体設備投資の本格回復、世界的に省人化、自動化投資のニーズの高まり等で在庫調整一巡もあり、ロボット需要の回復が見込まれる。FAは中国の工作機械NC化率75%への推進特需が一巡するとみられるが、関税影響などで出遅れていた国内の工作機械受注の回復が期待でき、欧州は低調継続懸念も、全体では拡大が見込める。ロボマシンも工作機械受注の回復、射出成型機も反発が期待され、全体では増収となろう。なおFAの拡大は中級クラスについて新興国中国メーカーなどの国産化影響などもあり過去のような急拡大は見込みにくく成長の中心はロボット事業となる見通し。但しロボットでも中国の伸長がめざましく、新機種、新機能の製品を多数投入、ロボット事業での更なる拡大を目指すも、収益性については中国勢の影響を受けよう。しかもCNC装置のように規格化されたシリーズ展開する製品とは異なり、ロボットの売上高比率が高まることでMIX悪化は継続する見通し。売上拡大は見込めるものの、総利益率の改善は小さいとみられ、売上増に伴い収益拡大が期待されるものの収益性の向上は限定的とみられる。
株価は4/23の25/3期発表時に26/3期予想が開示されなかったことから株価は伸び悩んでいたが、7/25には26/3Q1が好調で26/3期予想が開示され、その後株価は日経平均並に上昇し、10/27には年初来高値をつけている。現在、会社修正26/3期予想EPS168.57円に対しPER29.1倍は、ロボットの安川電機の29.8倍とほぼ同じ、三菱電機26.3倍比で多少割高も、プライム電機平均PER19.4倍に対し割高である。日本を代表するハイテク株ではあるがCNC装置で稼ぎ出した高収益体質から、ロボット売上構成比の高まりでMIX変化から収益性の大幅回復は期待しにくい。同社の成長スピードは半導体製造装置メーカーの成長スピードに劣後すると判断、26/3期再増額修正期待もややネガティブ継続とする。
(図表はファナック説明会資料、ロボット工業会資料から添付、作成チャートはヤフー)



*安川(6506)、三菱電機(6503)との比較
(H.Mirai)