7729東京精密 26/3H1WEB説明会メモ ポジティブ継続
26/3期半導体製造装置増額で7.7%増収10.6%営利増に増額修正も受注増で再増額期待
株価10980円(11/5) 時価総額4641億円 発行済株42272千株
PER(26/3DO予:20.9X)PBR(2.1X)配当(26/3DO予)222円 配当利回り:2.0%
要約

26/3H1は7.9%増収9.8%営利増と台風影響で若干未達も受注13.4%増とHBMで上振れ
26/3H1決算が11/4に開示され、同日WEB説明会が実施された。26/3H1は売上高770.70億円(期初計画比14.30億円未達、7.9%増)、営利147.17億円(同4.83億円未達、9.8%増)、経常利益149.78億円(同2.22億円未達、13.8%増)となった。9月の台風影響で出荷が後ろ倒しとなった案件があり、これがなければほぼ計画通りだったとのこと。また税引利益は96.12億円(同9.88億円未達、29.1%減)と、プローバの不具合で製品不具合対策費21.03億円計上が影響した。なお前25/3H1にあった固定資産売却益43.03億円(特別利益)がなくなったことに加え、当期は製品不具合対策費21.03億円(特別損失)を計上したため、特別損益が同期比67.96億円悪化し、税引利益は大幅減益となった。
受注高は806.34億円(7/30計画比60億円上振れ、同期比13.4%増)と下期に見込んでいたHBM向けが9月に受注獲得となり大幅増額で着地した。

セグメント別では半導体製造装置事業が売上高594.13億円(期初計画比15.87億円未達、9.4%増)、営業利益123.29億円(同期比10.7%増)、受注は613.23億円(同60億円上振れ、18.6%増)、受注残高727.85億円(14.1%減)となった。売上面では台風影響を除き顧客要求納期に沿った出荷を進め、検査装置340億円(計画比22億円増額、同期比1%増推定)、加工装置203億円(同9億円未達、同期比5%増推定)となった。HPC/AIロジック、HBM向けは前下期比55%増(金額非開示)。受注面は検査装置300億円(期初計画比58億円増額、同期比26%増推定)、加工装置217億円(期初計画比19億円増額、同期比17%増推定)となった。検査装置はHBM向けが伸長したほか中国向けが引き続き堅調に推移、加工装置も生成AI関連の半導体パッケージ向けが寄与、民生向けが低調、パワー系もEV変調で伸び悩んだ。全体ではHPC/AIロジック、HBM先端半導体向け24%増(金額非開示)が寄与し上振れた。利益面では増収効果、円安も寄与し若干利益率が向上した。


計測器事業は売上高176.57億円(8/4計画比1.57億円上振れ、同期比3.2%増)、営業利益23.88億円(同5.4%増)、受注193.10億円(同1.9億円未達、同期比0.6%減)、受注残151.23億円(1.4%増)と計画線となった。売上はほぼ計画通り、受注も自動車業界の一部案件の後ズレなどもあったが、設備更新投資が堅調に推移、航空機・防衛関連の好調もあり計画線とのこと。利益面でも計画線だった模様。


26/3期半導体製造装置部門増額で7.7%増収10.6%営利増に増額修正も再増額期待
26/3H1実績を踏まえ、26/3期予想を増額修正、売上高1640億円(8/4予想比50億円増
額、8.9%増)、営利315億円(同5億円増額、6.0%増)、経常利益315億円(同5億円増額、5.2%増)、税引利益205億円(同12億円減額、20.0%減)予想とした。
事業別では半導体製造装置事業が売上高1270億円(8/4予想比50億円増額、前期比9.4%増)、計測事業を370億円(同予想比変更無し、前期比0.1%減)とした。半導体製造装置事業について、全体として策定時よりも先端デバイス向けが好調。加えてDRAM、フラッシュ・メモリなども堅調な動きでSiCを除き回復基調となっているためである。受注はHBMの前倒し分を加味し上期比横ばい微減を想定(額は非開示)しているが、先端設備投資の加速で増額が見込まれる。計測機器は期初計画通りの動きで、自動車や一般機械は低調も、航空宇宙、防衛産業向けなどで拡大が見込まれ、前期並みを確保する見込みである。
全体として下期に半導体事業の売上増額が寄与し、利益も新製品のコスト改善が進み収収益性の向上が見込まれ、利益も再増額が期待される。また受注については上期比増加を確保し、27/3期に向け受注残高は高水準を維持しよう。

27/3期最高収益更新、新中計の28/3期売上高1850億円、営利450億円上振れ達成期待
同社は中期経営計画として28/3期に売上高1850億円(半導体1400億円、計測450億円)、営業利益450億円達成を打ち出している。半導体製造装置事業は約6割を占めシェアの高いプローバについて、先端半導体向けの需要拡大、既存装置の代替需要拡大が期待する。特に先端プロセスではプローブの温度管理が重要で、HBM3では歩留まりが向上しているとみられるものの、HBM3-E、HBM4と高性能化で歩留まり向上のために世代交代ごとにプローバの買い替えが必要となるとのこと。HBMは電力効率が向上しており(pJ/bitあたり)、3D積層構造と高帯域幅化により、熱密度が著しく高まる。著しい発熱量の増大は、亀裂、剥離、構造変形といった物理的欠陥につながる可能性が高まる。半導体テストにおいては熱によってウエハやプローブカードが膨張・収縮することで、プローブの接触が不安定になったり、微細な構造に熱応力による亀裂や剥離が生じたりするリスクが高まる。これらの要因で、テスト結果の信頼性が損なわれ、不良品の見逃しや、逆に正常品を不良と判定してしまうリスクが増大し、測定の信頼性」と「歩留まり」に直接的な脅威を与える。このような状況下では、テスト装置はテスト環境を「完全に制御する」能力が求められる。同社は新モデルにおいて、常温、最高+200°Cまでの高温、最低-55°Cまでの低温、そして低ノイズタイプを投入、「低振動・低騒音」にも強味を持つ。また最大300mm角のPLP基板のテストにも対応可能で、ハイブリッドボンディングが普及した場合にはさらに売上拡大が見込める。市場シェアは同社30~35%、東京エレクトロン40~45%で2社合計では70%強を占め寡占状況にあり、現状、熱管理などで特許でも先行しており、同分野での成長は期を追って加速するとみられる。
一方の約4割を占める加工機部門は、先端グラインダや先端ダイサなどの拡大が期待される。現在、同社が得意とする化合物半導体向けはEV見直しの中で需要が大きく減退しているが、一方で、AIデータセンタ向けなどで新たな需要が見込め、27/3期には本格的な需要回復が期待される。
このように、同社半導体製造装置事業については同社中計計画における28/3期半導体製造装置事業の売上高1400億円はHBM,HPC向けの拡大、中工程への展開、加工では化合物半導体などで差別化製品の拡大が見込める。測定機器では航空宇宙、無人化や機械に内蔵される測定機器需要も拡大が期待され、着実な伸びが見込める。
全体を通じ、半導体事業は計画の上振れが期待され、計測事業は計画並みに推移し、27/3期には23/3期の営業利益345億円を抜き、売上高・利益ともに過去最高更新が期待される。さらに28/3期には中計予想の上振れ達成に期待がかかる。
株価は25/3期決算発表後に26/3期もHBM/HPC向けが拡大するとして6/30には9886円の年初来高値を更新した。しかし8/4の26/3期予想の開示で伸び率が小さいとして下落、9/3に7951円と一時的に8000円大台割れとなったが、その後、先端半導体の拡大で受注増額期待もあり再上昇し、10/7には11280円の高値をつけ、11/4には11320円の年初来高値更新となったが、11/5の相場急落影響で弱含んだ。現在、26/3期会社修正予想EPS505.52円(特損除くとEPS544円)に対しPER21.5倍はプライム精密平均PER19.4倍と比較し若干割高も、日本マイクロニクスコンセンサス35.4倍、ディスココンセンサスの41.3倍、東京エレクトロン31.4倍に対し割安感がある。現状、26/3期は再増額が見込まれ、27/3期はHBMなど次世代投入などで収益が拡大し業績の上伸が見込まれ、半導体関連の主力銘柄としてポジティブ継続と判断する。
(図、表は同社決算説明会資料、HPより添付、チャートはヤフーより)



*東京エレクトロン(8035)、ディスコ(6146)、日本マイクロニクス(6871)との株価比較
