11月6日16時、JFEホールディングスは同日14時に発表した26/3期2Qの決算受けてウエブにて説明会を開催した。説明に使われた資料はこちら。

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<25年度決算について>g1
〇業績ハイライト(資料の3ページ)
足元、大変厳しい環境が続いているが、中国の過剰生産、大量輸出による需給バランスの崩れ、市況の低迷、これが世界各国地域に波及しており、国内外のスプレッドの縮小とか海外事業環境の悪化、こういうものを今回も見込んでいる。
ただ一方で、アメリカをはじめとする各国の保護主義的な政策に伴う影響、我々、昨年比で100万トンの減産リスクを織り込んでいたが、足元の販売状況とか通商環境の変化、この辺りを踏まえ、数量減リスクの縮小を見込む。おおむね50万トンぐらいかなと、今度、今回の年度に反映をしている。
あとは、コスト削減ですとか高付加価値品力の向上、この辺りの収益の改善については着実に実行しており、引き続き企業価値の持続的な向上に向けて、資本コスト、株価を意識した経営を推進していきたい。
年間見通しについては、事業利益、セグメント利益、当期利益とも前回公表通りと見ている。
ただ一方で棚卸資産評価損を除く事業利益、これについては、対前回比▲100億円と、マイナスということで、1,900億円と見ている。
なお、年間配当は、8次中期計画で30%に加えて下限配当の80円というのを打ち出しているので、年間80円ということで見込んでいる。
<25年度2Q実績:上期>
〇上期決算(資料6-7ページ)
売上収益が2兆2,326億円と、前回公表から減収。事業利益は457億円、セグメント利益は341億円、当期利益は266億円と、それぞれ前回公表からは増益となった(図表1参照)。
セグメント別には、商社事業が、上期の実績として6,475億円と、前回公表から1,025億円減収となった。鋼材市況の下落に加えて、アメリカのプロジェクトにおける、売上が想定よりも伸びなかったとなどが原因(図表2参照)。
セグメント利益では鉄鋼事業が▲53億円、実力ベースでは427億円の黒と、それぞれ前回公表からは増益となった。エンジニアリング事業は126億円と、前回公表から+36億円。案件の進捗が早まり、下から上期にずれたことが主な要因。商社事業は、先ほど説明の通り売上収益が落ちたことが原因となり219億円、前回から31億円の減となった。
〇スチールセグメント(同8ページ)
セグメント利益は前回よりも97億円の増益となった。
その内訳が資料の下にあるが、数量で10万トン増えたことが要因として20億円のプラス。棚卸資産評価差は、想定よりも若干原料高、それから円安ということで+50億、その他で国内グループ会社中心に増益ということで+27億円となった。
前上と今上の比較は資料の9ページを参照。
<25年度の見通し>(同11-12)
売上収益は4兆6,000億円と商社を中心に1,500億円の前回からの減収。事業利益は457億円、セグメント利益は341億円、当期利益は266億円と、対前回から、±0だが、実力ベースでは▲100億円となっている。
図表1、25年度上期実績と通期見通し(百万円)

出所:会社発表資料よりIRU作成
セグメント別では、売上収益で、商社事業で前回からは1,500億円の減収。セグメント利益は、鉄鋼で400億円、実力ベースでは900億円。エンジニアリング事業は200億円、商社事業は450億円ということで、前回から見ると、鉄鋼は±0、エンジニアリング事業も同様。一方、商社事業は▲50の見通し。
図表2、セグメント別25年度上期実績と通期見通し(億円)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇スチール(同14-23ページ)
●足もとの事業環境
・国内
製造業向けは、現時点で米国関税による大きな影響は見られない。自動車は、資料14ページのグラフにあるように、現段階で24年とほぼ同様の水準の850万台程度と見込んでいるが、今後、関税の影響等については注視が必要。それから、今期についても、上期段階で大きな変化は無いと思っているが、こちらの分野別にも書いているが、8月に鉄鋼派生製品関税に建機が追加されたということあり、今後の状況については注視していく。
一方、建設分野は、依然として建設コストの上昇だとか、人手不足の影響を背景に低迷が継続。資料下のグラフの普通鋼鋼材消費見通しでも、建設向けは前年同期で3.2%のマイナスを見込んでいる。
・海外
中国の内需低迷・高位生産・輸出増というのは依然として続いており、厳しい需給環境が継続している。資料15ページのグラフに示した通り。
なお、米国関税に加え、各国でのアンチダンピング、それからセーフガードということで、日本も対象になるような品目が出ている。
したがって、売先を失った中国鋼材は、国内あるいは国外に流出するという状況で、市況下落にも影響すると考えている。海外の市況については資料の16ページを参照。中国は、以前低迷が続いている。
インド鋼材については、セーフガードで一時上昇したけれども、足元、モンスーンの長期化とか、あるいはGSPの改正を控え、買い控え等もあり、足元は下落傾向がある。
米国鋼材についても、関税影響で一旦急騰したが、やはりその需要は、そこまで強くない。足元、関税の効果あるいは利下げの部分を様子見する動きもあり、低迷している。
資料17ページの原料市況は、鉄鉱・原料炭とも需給環境には変化は無い。足元の価格が継続する。鉄鉱石では90ドル内外、原料単190内外で、年度は推移すると盛り込んでいる。
●粗鋼生産(同18ページ)
冒頭説明したように通商影響等で、対前年で100万トン減ると、前回公表比で50万トンのプラス、ただし24年度と比較すると45万トン減の2,150万トンとみている。
高付加価値品比率(同19ページ)、すでに説明している通り同社は、量から質への転換ということで、高付加価値品比率の拡大という目標を設定して取り組んでいる。市場環境に記載の通り、分野によっては盛り上がりに欠ける大変厳しい状況にあるが、目標達成に向けて、足元では電磁鋼板、洋上風力向けの厚板中心に、生産増・販売増に取り組んでいる。
●業績見通しにおける諸元は同20ページ参照。粗鋼生産は、上期が1,080万トン、下期は10万トン減の1,070万トンとみている。鋼材輸出比率は、上期は41.3%ということで、24年の下期並み。鋼材平均価格11万9,800円ということで、24下期から5,000円から6,000円の減。これは前回公表と見方は変わっていない。原料炭の低下とか円高が影響している。為替レートは、上期146.2円/ドル。下期については、前回145円程度と見ていたが、今回150円程度と修正。
セグメント利益に対する増減については同21-23ページを参照。
〇エンジニアリング(同25ページ)
年間セグメント利益は前回公表通りの200億円。受注は、前回公表通りだが、前年度から1,000億円以上の受注増ということで、廃棄物発電を中心としたWaste to Resource、それから洋上風力、LNG等のカーボンニュートラル分野の受注拡大を見込む。
なお、洋上風力のモノパイル事業は、当初想定よりは稼働は遅れているが、現段階で多数の引き合いはあり、25年度中に本格製造を開始する。それから26年度のフル生産を目指す。
〇商事(同27ページ)
今回、国内の建設業の低迷継続や通商施策、それから国内外の市況下落により、前回公表から50億円減の450億円、これは前年からみると29億円の減。
<配当について>
冒頭で説明した通り、中間40円、年間で80円という見通し。
<トピックス>(同31-32ページ)
2つ用意している。統合報告書・サステナビリティ報告書を発行とLNG関連案件の受注拡大。詳細は資料を参照。
<参考>
図表3、四半期別の業績推移(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成
(IRuniverse 井上 康 )