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住友金属鉱山:決算説明会を開催、業績見通し修正

2025/11/11 10:02
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住友金属鉱山:決算説明会を開催、業績見通し修正

 11月10日16時、住友金属鉱山は同日14時半に発表した26/3期3Q決算を受けて決算説明会を電話にて行った。説明に使われた資料はこちら

 

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<サマリー>

 事業環境や概況等は資料の2-5ページを参照。

 

<25年度2Q実績>

〇2Q決算概要(資料7ページ)

 金属価格は資料の左下に掲載。3月決算会社に適用される4月から9月平均の前年対比については、銅と金の価格は上昇、ニッケルの価格は下落、為替は円高となった。

 12月決算会社に適用される1月から6月平均の前年対比についても銅と金の価格は上昇、ニッケル価格は下落、為替は円高となった。税前利益は、前年同期間に比べ48億円増加し、778億円となった。資料の上部で示している通り、ニッケル価格が下落し、前年度損益を押し上げた在庫評価影響は、円高進行により剥落したものの、既存の銅鉱山と金鉱山に加え、ケブラダブランカ銅鉱山とコテ金鉱山の立ち上がりにより、銅価格と金価格の上昇の恩恵を享受できたこと、また、数量差やコスト単価差の好転などが増益の主な要因。

 

<25年度見通し>(同12ページ)

 業績予想の前提とした金属価格及び為替レートは左下に記載した通りで、3月決算会社に適用される4月から3月平均の前回予想対比については、銅と金の価格は上昇、ニッケルの価格は下落、為替は円安と想定。12月決算会社に適用される1月から12月平均の前回予想対比についても、銅価格と金価格は上昇、ニッケルの価格は下落、為替は円安と想定。

 その前提のもとで見直した11月予想では、税前利益は1,210億円と、前回(4月)予想から190億円の好転を予想。その主な増減要因は、資料の上段のグラフで示ししている通り。銅価格と金価格は、前回予想よりも高い水準で推移すると想定する一方、主にケブラダブランカ鋼山の生産計画下方修正による数量さとコスト単価差の悪化を想定している。なお、今回の業績予想には、今年度中に発現する可能性があるリスク要因は織り込んでいない。グラフの右端に25年度の実力損益の想定を掲載している。これは、25年度11月業績予想から、金属価格や為替の変動局面において発生する要因とその他の特殊要因を除いたもの。今回の業績予想における25年度の実力損益は、前回から100億円の上方修正となる1,200億円から1,100億円と想定。銅と金の価格の上昇などが上方修正の主な要因。

 

<配当について>(同4ページ)

 同社の配当に関する方針は、剰余金の配当は原則、配当性向35%以上とし、下限指標はDOE2.5%としている。今回、業績予想を見直した結果、25年度の年間配当額は、配当性向35%よりもDOE2.5%の方が大きくなる見込みであることから、DOE2.5%を適用し、1株当たりの年間配当金の予想は8月時点と同じ1株当たり131円となり、当期の中間配当額はその半分の1株当たり65円とした。

 

図表1、26/3期の上期実績と通期予想(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

 以下、ポイントのみ。

<前2Qvs今2Qの損益分析>

〇資源セグメント総利益

●資源セグメント(同20ページ)

 売上総利益は、219億円の増益となる509億円となった。菱刈鉱山はサステナビリティ重視の操業方針に従い、平均品位での採掘を行っており、25年度は年間販売金量を3.5トンとし、計画的に操業を行っている。24年度同期間と比べ、金価格の上昇により価格差が好転。コテ金鉱山は順調にランプアップを進めている。なお、コテ金鉱山は24/3期末から生産を開始したため、25年度2Q比較において、その差は数量差としている。モレンシー銅鉱山は、12月決算会社に適用される1から6月の銅価格の上昇により価格差が、また、操業コスト削減や効率向上の取り組みの成果等によりコスト単価差が好転した。

 次に、持分法投資損益について。セロベルデ銅鉱山、カンデラリア銅鉱山は、主に12月決算会社に適用される1月から6月の同価格上昇により価格差が好転し、いずれも増益となった。

 ケブラダブランカ銅鉱山は、ランプアップ中であった前年同期間に比べ、コスト単価は改善、加えて、12月決算会社に適用される1から6月の銅価格上昇の追い風もあって、損益は改善している。

 次に、セグメント損益について2点補足する。

 投資家からの意見を踏まえ、今回から銅鉱山と金鉱山に分けて開示することにした。また、これまで同様、ケブラダブランカ銅鉱山開発に際し、同社が現地の銅鉱山運営会社に対して必要資金の融資を行っており、その融資に対する受け取り金利が含まれている。個別開示はできないが、損益計算書上の金融収益に含まれる受取利息の額を22ページに記載しているので、後ほど参照。

 

〇製錬セグメント(同21ページ)

 売上総利益は、203億円の減益となる214億円となった。24年度に為替の円安進行により損益を押し上げた在庫評価損益の剥落、加工収入が低下したことによる価格条件差の悪化、ニッケル系でも、価格低迷による価格条件差の悪化と在庫評価損益の悪化がその要因。銅系の好転要因は、コスト単価差は東予工場の操業費用の低下によるもの。その他については、主に副産品である硫酸価格の上昇によるもの。なお、硫酸はフィリピンのHPALにおける主要操業資材のため、硫酸価格の上昇は、銅系では利益に貢献するが、ニッケル系ではコスト単価の悪化につながる。一方、価格条件差について、25年度は24年度に比べ加工収入、TC/RCが悪化しているため。次にニッケル系の好転要因は、コスト単価差は、硫酸価格の上昇による影響はあるものの、各拠点の操業費用の低下とCBNC(コーラルベイニッケル社)の減価償却費減などによるもの。一方、価格条件差は、コバルト価格は上昇したが、ニッケル価格の下落により悪化した。ニッケル系は、加工収入が金属価格に連動するシェアリング制度が適用されるため、金属価格の変動が業績に大きな影響を与える。

 

〇材料セグメント(同22ページ)

 製品別売上高。電池材料については順調に操業を続けているが、販売価格に連動する。金属価格が下がったため減収となった。機能性材料については、パッケージ材料の一部製品の事業環境悪化と24年度に譲渡した建材事業の売上剥落により、その他が減収となったたが、粉体材料については堅調に推移した。次に、セグメント損益について投資家からの意見を踏まえ、今回から電池材料と機能性材料に分けて開示することにした。電池材料事業は、原料の金属価格の下落による受払差のマイナス影響が昨年に比べて小さくなったため、増益となった。機能性材料事業は、1Qに続き、データセンタ関連の電子部品向け部材、粉体材料や結晶材料、こちらの需要が堅調であったため増益となった。

 

<前回と今回の損益分析>(同23ページ)

 前提となる金属価格、為替について、銅価格は上昇、ニッケル価格は同水準、金価格は上昇、為替は同水準での推移を想定。

 

〇資源セグメント(同24ページ)

 売上総利益は、190億円の増益となる1,070億円と予想。菱刈鉱山、コテ金鉱山ともに、金価格の上昇により価格差の好転を予想。コテ鉱山は、25年12月に設計の処理能力100%を目指し、ランプアップを続けていく。モレンシー銅鉱山は、銅価格の上昇により、価格差の好転を予想。なお、コスト単価差の好転は、操業コスト削減や効率向上の取り組みの成果等を見込んでいる。次に、持分法投資損益について、セロベルデ銅鉱山カンデラリア銅鉱山は、生産計画に大きな変更はなく、12月決算会社に適用される1月から12月の銅価格の上昇による価格差の好転を予想。ケブラダブランカ銅鉱山は、JVパートナーでオペレーターのテック社の発表の通り、鉱石から金属を回収するプロセスについては立ち上がってきているが、金属を回収した後の鉱石を貯留する設備への対応と、その影響を受けた生産計画の下方修正のため、25年度の業績は8月予想から悪化を見込んでいる。現在進めている対応を完了すれば、ケブラダブランカ銅鉱山は競争力が高く、長期にわたり同社の収益基盤となる動向山という位置付けは変わっていない。JVパートナーと引き続き協力し、操業の安定化に取り組んでいく。

 

〇製錬セグメント(同25ページ)

 売上総利益は、170億円の増益となる370億円と予想。金価格と銀価格の上昇による在庫評価損益の好転、ニッケル系では、価格の低迷と在庫評価損益の悪化がその要因。それ以外の要因については、銅系その他は、主に副産品である硫酸価格の上昇を予想。ニッケル系の数量差は、副産品であるコバルトの販売数量減によるもので、原料の構成の違いによるもの。ニッケル価格は、8月業績予想から下落した水準を想定しており、価格条件差が悪化すると予想。

 

〇材料セグメント(同26ページ)

 製品別売上高。電池材料については、販売価格に連動する金属価格の下落の影響などにより減収と予想。なお、正極材品種切り替えの予定に変更はない。また、足元では事業の立て直しに向け、コスト削減や生産体制の見直しを進めている。今後の市場の成長を見据え、引き続き、要素技術の開発、生産性の改善、積極剤の性能向上、コスト削減など、競争力の強化に努めていく。

 機能性材料については、電子部品市場における需要には濃淡があるが、全体としては、データセンタ関連の電子部品向け部材の好調な推移を見込む。

 

<参考>

図表2、四半期別業績推移(億円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

図表3、四半期別資源セグメントの内訳(億円)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

図表4、四半期別材料セグメントの内訳(億円)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

 

(IRuniverse 井上 康 )

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