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SUMCO(3436) 25/12期3Qは営業損失も、キャッシュフローは改善基調

2025/11/12 11:44
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SUMCO(3436) 25/12期3Qは営業損失も、キャッシュフローは改善基調

 25/12期1~3Q決算は減価償却負担増から80%の営業大幅減益となり、3Qだけでは16億円の営業損失となった。25/12通期でも42億円の営業損失見通しと厳しい収益が続く見通し。減価償却のピークは来期となるが、設備投資はピークアウトし、フリーキャッシュフローは今3Qに黒字に転換、資金回収は業績改善よりも早く始まっている。

 

25/12期1~3Qは会社計画を上振れも営業利益は80%減に

25/12期1~3Q決算が11月11日に発表され、売上高は3,044億円、前年同期比2.6%増となるも、営業利益は会社計画を6億円上振れの58.7億円強、前年同期比80.4%減となった。AI半導体向け需要は好調もレガシー半導体向けのウェーハの需要低迷、在庫調整の影響で販売数量の伸びによる増益要因が小さい中で、減価償却費が228億円の増加となり、円高の影響もあり大幅な営業減益となった。

 

3Qは16億円の営業損失も、フリーキャッシュフローは黒字に

3Qでは売上が2Q比3.7%減、前年同期比0.7%増に留まる中で、減価償却費が2Q比28億円の増加となり、コスト削減や台湾ドルに対する円安効果の増益要因があったが16億円の営業損失となった。3Qには設備投資の完成に伴う減価償却費が投資額を上回る格好となり、フリーキャッシュフローは17億円だが黒字に転換、22年からの大型設備投資に伴う資金回収期に入ったことを示している。新設の設備投資は一巡し、減価償却費のピークは来26/12期になることから、キャッシュフロー面からは改善時期に入ったことになる。

 

4Qは大型定修もあり営業損失拡大の見通し

会社は25/12通期の業績見通しを初めて開示したが、売上高4,044億円、前年比2.0%増、営業損益は42億円の営業損失とIRUの従来予想及び市場コンセンサスを下回るものとなった。主力の300ミリウェーハは4~6月から回復基調にあり、AI半導体向けのメモリー需要の回復で半導体メーカーのウェーハ投入枚数が増加基調にあったが、半導体メーカーの手持ち在庫からの消化の部分がまだ大きく、同社などウェーハメーカーへの需要はまだ限定的にあることが背景にある。会社は中間決算時まででは減価償却費の計上の調整をする可能性を示唆していたが、従来通り竣工した設備は未稼働でも減価償却を開始するこれまでの方針を継続したことによる減価償却費負担が大きくなった結果である。

この結果、4Qの営業損益は100億円の損失と見かけの悪い見通しとなる。営業損益悪化の要因では減価償却負担増が57億円、主力工場の定修や年末の休業等もあり出荷の季節的な減速により30億円の減益要因を見込むことが大きい。

 

会社は来期の業績お厳しいとみる

IRU予想を見直した結果、今25/12期は会社の為替想定が1ドル148円であることもあり、若干ではあるが会社計画に対し損失額が縮小するとみる。問題は業績の回復タイミングであるが、会社は「26年の300ミリウェーハの需要の回復は緩慢であり、減価償却負担のピークになることもあり厳しい業績になろう」との見解を示している。300ミリウェーハは半導体メーカーの手持ち在庫の解消がメモリー半導体では進むが、ロジック半導体では最先端のAI半導体でのボトルネッキングもあり解消が緩慢なことがウェーハメーカーへの発注を抑制することを懸念する。ウェーハ需要はレガシー半導体向けの回復の鈍さに米中対立によるデカップリングの影響もあり高い伸びは期待し難い。減価償却費がまだ数百億円規模で増加するため、営業黒字化のためには売上高が10%以上増える必要となろう。

会社は構造改善に取り組んでおり、宮崎工場を閉鎖、150ミリをインドネシアに、200ミリを長崎工場に移管する生産体制の見直しによる構造改革を実施している。300ミリウェーハでも最先端のエピタキシャルウェーハに一段と集中するのに加え、ロジック半導体、NANDフラッシュメモリーの高集積化で各半導体メーカーが開発を進める3次元化に対応する貼り合わせウェーハの需要、CMOSセンサーの大型化に対応することで品質の差別化による高収益性を追求する戦略にシフトしている。高付加価値化によるプロダクトミックスの良化、生産性・歩留まりの向上、コスト削減の効果の出方も今後の収益回復のの度合いに大きな影響を与えることいなろう。
 


 

(叶 一真)

 

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