<WBCSD同日発表>
ブラジル・ベレンで開催中のCOP30のジャパン・パビリオンにおいて、環境省、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)及びUNEP(国連環境計画)ワン・プラネットネットワークの共催により、「ビジネスのためのグローバル循環プロトコル(GCP)」初版(version 1.0)の発表イベントが開催された。
■背景と環境省の対応
循環経済(サーキュラーエコノミー)は、ネット・ゼロやネイチャーポジティブの達成、汚染の削減等の環境問題の解決に不可欠であり、資源リスク対策や経済安全保障のためにも重要な取組。G7やG20での議論を含め世界的にも関心が高まっている。こうした中、一部の国や地域は域内で資源循環に関する情報開示や各製品の規制等のルールを近年打ち出しており、日本企業も対応を迫られているが、一方で、ネット・ゼロやネイチャーポジティブと異なり、循環経済については、指標を含めた評価手法や企業の非財務情報開示の枠組みは国際的に確立されていない。
日本政府は2023年の札幌G7気候・エネルギー・環境大臣会合で「循環経済及び資源効率性原則(CEREP)」の策定・採択を主導し、同年のG7広島サミットで承認された。原則の一つに、循環性指標に基づくバリューチェーンレベル指標のモニタリングと企業レベルでの情報開示が明記されている。
WBCSDは、これまでにも環境分野における企業の非財務情報開示の枠組構築の経験を有し、2022年には、循環性に関する企業パフォーマンス・アカウンタビリティの評価手法、企業レベルでの循環性の開示を含む枠組みであるGCPの開発を公表。これらの背景を踏まえ、環境省は2024年にWBCSDとGCPの開発に協力する文書に署名し、GCPの開発への参画や日本企業の動員、国際的なイベントの共催等を通じて開発に協力してきた。
GCPの開発へのインプットを行うため、環境省では、内閣府が実施する「研究開発と Society 5.0 との橋渡しプログラム」(BRIDGE)に採択された「企業情報開示スキーム及びバリューチェーン循環性指標の国際標準化事業」において、資源循環に関する企業レベルの情報開示スキームやバリューチェーンの循環性指標等の開発を進めてきた。引き続き、今後のGCPの改善等に向け、当該事業を通じて資源循環分野の国際ルール形成を主導し、循環経済への移行、日本企業の国際競争力の維持・強化を図る。
■GCP公表の概要
11月11日、ブラジル・ベレンで開催中のCOP30のサイドイベント(ジャパン・パビリオン)においてGCPの初版(version 1.0)が公表された。今後も開発は継続し、内容の拡充や更なる改善が行われる見込み。詳細は、添付資料を参照。
■参考サイト
WBCSD GCP公表に関するサイト(英語)
添付資料
(IR universe rr)