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住友金属鉱山:経営戦略説明会を開催(業績・資源)

2025/11/17 14:19
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住友金属鉱山:経営戦略説明会を開催(業績・資源)

 11月17日10時、住友金属鉱山は経営戦略説明会をウエブにて開催した。説明に使われた資料はこちら。説明は松本社長他が行った。

 

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<エグゼクティブサマリー>

 上期の総括とうは、先日説明会で説明した通りなので今後の取組み等の話をする(資料4ページ))。

 ケブルダ・ブランカ(QB)銅鉱山の早期安定操業実現に向けたJVパートナートとの注力。すでに報告等説明しているが、QBでは、現在、テーリングダム(尾鉱堆積場)の停滞のかさ上げが少し遅延しており、その影響が出ている。こういったものを今後注力して取り組んでいく。

 2つ目は、大きなプロジェクト、今2つ進めており、1つはオーストラリアのウィヌの銅・金プロジェクトで、もう1つは、これもオーストラリアになるが、カルグーリー・ニッケル・プロジェクト。

 この2つのプロジェクトについて今後とも進めていく。

 3つ目が、電池材料の新品質への転換。これまでやってきたNCAからNMCに切り替えるということを現在進めている。加えまして、次世代の技術ということで、特に全固体電池の正極材。こういったものに今注力して取り組んでおり、それを継続してやっていく。

 4つ目が、機能性材料事業の成長が見込める分野に特化して注力していくことと、それをやることにより社会課題を解決していきたい。

 5つ目が、上期に150億ほどの自己株の取得を行ったが、今後とも機動的な検討を今足元で進めている。

 上の4つは、後ほど各事業本部より詳細な説明をする。

 

〇トピックスを若干補足説明する(資料5ページ)。

 オーストラリアのウィヌ銅プロジェクトは、先月の10月31日に権益の取得が完了して、現在、事業化に向けてFSを進めている段階。今、中計、FSを精力的に進め、次の中計2030の期間においてFID並びに建設開始を目指していく。

 その下が全固体電池向けの正極材に関するもので、こちらも10月8日にプレスリリースしたが、トヨタ自動車と、現在、全固体電池の正極材料量産に向けた共同開発契約を結んで進めている。是非とも、世界で初めての電気自動車の全固体電池を実用化させたい。

 下段のその他プレスリリースのところに書いているTOPIXの2点ほどご紹介する。まず、粒形100ナノメートルの耐酸化性を持ったナノ銅粉を今回開発している。我々としては、次の成長という分野で期待している。現在、ターゲットとしては接合材に注目にしているが、これ以外の開発についても順次用途開発を進めていく。

 農業プロジェクトについても、「ReFarm by SOLAMENT」ということで現在本格稼働を進めている。足元、日本全国で、野菜、果物、家畜、こういったものを中心に育成の評価試験を実際に進めているところ。また、まとまり次第、情報を提供していく。

 

〇安全に関して(同7ページ)

 安全に関して、漸減傾向ではあるが、足元まだ目標0件というのは未達の状態になっている。今後とも、注力する取り組みのとこに記載させているが、リスクの高いものに特化して集中的に対策を取っていく。

 

〇通期の業績予想(同10ページ)

 8月の予想に対して190億円増益の1,210億円を見込む。価格の上振れ並びに為替等で、増益の見込みであるが、一方で、数量差並びにコスト単価差で減益の要因がある。これは主に、先ほど説明したQB鉱山での減産の影響によるもの。下期はQB鉱山の早期安定化に注力して、少しでも下げるといった努力をしていく。

 

〇金属需給の見通し(同11ページ)

●銅

 需要は今後、データセンターを中心に伸びるとみている。加えて、現在、銅精鉱の需給が逼迫している。鉱山でいろんなトラブルも起こっており、逼迫している。結果として銅地金の生産が今少なくなっている。そういったことで、資料右にあるように、2026年度は若干のマイナスバランスということで見ている。

●ニッケル

 依然としてインドネシアなどの生産が旺盛という状況が続いている。そういったことを踏まえて、一部では生産調整等も踏み切る製錬所もあるが、やはり過剰供給の抑制には至っていない。26年においても26万トンほど過剰供給が続くとみている。

 

 金属価格の前提(同12ページ)は割愛。

 

〇財務関係(同13ページ)

 上期の実績のキャッシュフローは、資料の65ページに記載しているが、営業活動のキャッシュフローを上回る戦略投資を足元やっており、フリーキャッシュフローは▲260円ほどのマイナスとなっている。加えて、有利子負債の残高も前期末から若干増加しており、9月末時点で5,912億円ほどの値になっている。なお、D/Eレシオは、0.33ということで、財務体制としては安定している。

 株主還元について同社としては、これまでも説明していた通り、配当性向原則35%を基本に下限の使用ということで、今年度からDOE2.5%を適用している。その結果、現在想定している年間配当は、1株131円ということで、中間配当が65円となっている。引き続き、キャッシュフローや財務体質等を見ながら、成長戦略を含めたところでバランスを含めた財務手法、維持していきたい。加えまして、今後も機動的な自己株式式の取得は、現在検討を進めているが、引き続きやっていきたい。

 

〇株主還元(同14ページ)

 今回、DOE2.5%ということで、それをベースとした配当性向は48%になる。加えて、今年150億の自己株式を取得しているので、その自己株式取得を含めると、総還元性向は68%ということになる。

 

〇業績比較(同15ページ)

 税前利益のところに記載しているが、上期実績778億円に対して下期は432億円、上期に対して346億円減を見込む。要因は色々あるが、その下のセグメント利益のとこに書いているように、資源関係で上期、金・銅ともに価格が上昇局面であったので、それが落ちつつ落ち着くということで、価格の影響が若干下がることと、あと、QBの生産量が減産になるので、それを織り込んだことによって資源関係はマイナス。

 製錬は、足元はすでに東予工場40日を超える停止の休転をやっている。これの影響で若干生産量が下がるということと、今後TC/RCの影響が少し出てくるなど、製錬についてもマイナス要因を織り込んでいる。

 材料は、電池は品質切替えの影響、機能材は、通信デバイス環境は非常に好調で、こちらは生産も高いレベルを維持できるが、一部、他の結晶等は若干の減速を見込んだことで、これを織り込んだ結果となっている。

 

<事業戦略の進捗>

〇資源事業(同17ページ)

 課題になっているQB2プロジェクトは、早期安定作業に向けてパートナーとのTeckと改善に注力する。操業状況と今後の見通しが、昨年中に、鉱石の採掘処理が、順調にスタートしており、プロファイ(プロジェクトファイナンス)の財務完行条件を全て達成済み。

 一方で、尾鉱ダムの処理能力が現在制約になっており、その前の工程である選鉱工程の操業度が低下していることで減産を見込んでいる。ガイダンスとしては、今年の生産量は17万4,000トンと下方修正しており、26年、27年の生産量はTeckの発表では記載の通り。

 

〇尾鉱ダムの問題について(同18ページ)

 QB2の場合には選鉱工程で出てきた尾鉱、(左側の青い図)サイクロンという装置で分岐、これ粗い物と細かいものに分けるが、分けた細かいものはダム湖の方に堆積。粗いものは右側にあるように、尾鉱ダムを積み上げていくという形態のダムとなっている。この粗い物をサンドといるが、これのその積み上げが遅れていることで嵩上げが遅れている。よって操業度を下げている。

 対応としては、右の図にあるように、基礎堤の上に砕石で盛り土をして堤体の嵩上げをするということと、根本的な問題として、その尾鉱の中に含まれる非常に細かい粒子がサンドからの排水を妨げているので、このサイクロンの装置で排水性を上げて、この積み上げの速度を増していくという対応を現在取っているところ。

 

〇有望な長期的ポテンシャル(同19ページ)

 QBは非常に有望な長期的なポテンシャルがある。莫大な資源量が確認されており、拡張の余地が残されている。長期的に安定した銅生産の増加を期待しており、今晩の尾鉱ダムの問題が解決したら、設備の継続的なデボトルネッキングに取り組んでいく計画。

 

〇コテ金開発プロジェクト(同20ページ)

 非常に有望な隣接地区があり、ゴセリン鉱床と呼んでいる。右の図にあるがコテ鉱床が現在採掘している鉱床で、そのそこに隣接してゴセリン鉱床があり、ここの探鉱を進めているところ。

 現在の外概測鉱物資源量は、金量で137トン、予測鉱物資源量で93トンの資源量を確認している。今後も追加の試錐を計画しており、順調に実施しているところ。

 

〇ウィヌ銅・金開発プロジェクト(同22ページ)

 今年参入を決めたウィヌ銅・金開発プロジェクトは11月31日にクロージングして、パ-トナーのRio Tintoと、協働して今後FSを進めていく。

 11月にすでにJVが立ち上がって活動を開始している。その他については既に公表しているので割愛。

 

〇資源権益金属量

●銅

 現在同社が所有している鉱山トータルの資源量のイメージで、1つの鉱山に例えるとこんな感じであるというもの。同社が権益を持っている5つの鉱山の資源量をトータルすると、①の採掘予定鉱量で650万トン。それから、②の精測・概測鉱物資源量+予測鉱物資源量、これにはウィヌ銅・金プロジェクトも含まれているが、1,420万トンという資源量を保有している。それ以外にも周辺の鉱床の発見の可能性があり、今後増加することが期待される。

●ニッケル

 菱刈とコテ金山の権益分を合計したものだが、採掘予定鉱量で220トン、精測・概測鉱物資源量+予測鉱物資源量で260トンという資源量を保有している。これについても、周辺の鉱床の探鉱を進めて、さらに拡大していきたいと考えている。

 

 「住友金属鉱山:経営戦略説明会を開催(二次電池リサイクル・電池材料・機能性材料など)」に続く

 

 

(IRuniverse 井上 康 )

 

 

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