11月18日に開催した日軽金 HDのIR説明会の続き。「同グループの人的資本について」の説明資料はこちら。説明は市川上席執行役が行った。
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⇒「日経金HD:IR説明会(「経営改革の推進」 進捗/循環型サプライチェーン構築)」
<同社グループの人的資本>(資料2ページ)
日軽金グループでは、人に財産の財というふうに書いて人材というふうにしている。これは、事業活動の基盤が人材にあり、価値創造における最大の資本が人材であるという考え方によるもの。3ページは、グループとして求める人材像というところで、自律的なプロフェッショナルという言葉になっている。
この言葉は、決して個人個人が好き勝手にやるということではない。新しい価値の創造のためには、多様な価値観であり、あるいはバックボーンを持っている人材が、この真ん中にあるが、23年に策定したグループの行動理念という共通の価値観を通じて、個人、チームの成長を志向し、成果、エンゲージメントを高め、ひいては企業価値の増大につながる行動様式を取ることと考えている。
また、日軽金グループでは、品質に関わる不適切行為を受けた再発防止の一環として、声の上がる組織への風土の改善を職場行脚といった経営陣と従業員の対話機会を通じて継続して取り組んでいる一方、組織あるいは職場単位ではエンゲージメントサーベイを起点とした風土改善にも取り組んでいる。
また、品質に関わる不適切行為発生の一因として、文献型の企業グループであった。
これは各々の事業の強さという良さがある一方で、どうしても物事の判断がそれぞれの事業ごとの狭い視野に陥りがちでもあるという状況であった。こうした背景を踏まえて、よりグループ内連携が容易となるよう、広い視野で事業を俯瞰できる人材の育成のため、また、先ほどもちょっとふれたが、24年に実施したエンゲージメントサーベイから抽出された課題への取り組みという側面と合わせて、6ページ以降で、人材育成等人事賃金制度への取り組みについて紹介する。
まず、グループの人材育成について、従来はグループ各社での教育実施がなされていた。これを2025年より、個人の成長に加え、先ほど説明したグループの行動理念浸透の機会とし、よりグループ人材としての育成という視点での教育に注力している。
また、グループ経営人材の育成のために経営次世代研修を実施しており、グループ全体を広い視野でとらえることのできる人材育成にも注力している。
最後に、人事賃金制度改定について(同8ページ)。前述のように、より個人、チームの成長を高められるような人事、人事賃金制度へと変更していく予定。繰り返しになるが、新たな価値創造の最大の資本は人材である。我々は、様々な取り組みを通じて従業員やチームの成長を支援し、それが企業価値増大につながるような継続した取り組みをしていきたい。
続いて「サステナビリティ経営について」の資料はこちら。説明は一色執行役員が行った。
<同社グループの人的資本>
〇経営戦略を支える人的資本(資料2ページ)
同社グループは、2021年に重要課題を策定し、社会とともに成長する企業を目指すサステナビリティ経営に移行した。以来、5つの重要課題、テーマを中心に据えて中期経営計画を実行し、経営理念の実現に向けて取り組んでいる。
重要課題を解決していくための価値創造プロセスこれは、80を超える事業で培った複雑で統合的な循環型バリューチェーン。
アルミ素材から加工までの幅広い知見とビジネスネットワークを生かして、資源循環やサーキュラーエコノミーを推進し、価値を提供し続けることを目指している。
23中計では、品質問題で露呈した経営や内部統制機能の問題にメスを入れ、グループの価値創造基盤の再構築に全力で取り組んできた。この取り組みは、品質問題の再発防止にとどまらず、同社グループ経営の形を大きく変えることになった。
80を超える事業が切磋琢磨する文献スタイルから、それぞれの知見や資本を結集して、グループの総合力で経営理念の実現を目指すことへの転換。
カーボンニュートラルの取り組みも、昨年11月にロードマップを策定、公表するなど、グループ一体で取り組む準備を進め、攻めの構えが整ってきた。
重要課題、テーマごとに取り組みの状況と今後の調整について紹介する(同3ページ)。
脱炭素社会の到来は大きな試練ではあるが、逆に絶好のチャンスでもある。排出権取引が現実となる日が近づく中、炭素税や原材料コストの上昇のリスクを最小化し、リサイクル推進や低炭素商品の開発、車体軽量化ニーズへの対応などの機械側面を大きく切り開くべく、果敢に挑戦している。
23中計でのカーボンニュートラルの取り組みはロードマップに沿って進んでおり、排出量削減目標もクリアした。
先ほど紹介があったように、グローバルな循環型サプライチェーンの構築にも挑戦しており、今後はこれから生まれる低炭素商品のブランド化にも力を入れていく。
持続可能な価値提供では、記載の通り、積水化学工業、積水ソーラーフィルム、NTTデータ、日経エンジニアリングの4社で、都市部の建物の外壁にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置する新しい工法の共同開発を開始した(同7ページ)。
この共同開発は、材料や部材供給にとどまらない、日経エンジニアリングの建築・土木業界における独自ポジションとバリューチェーンが可能にしたことだと考えている。
最も重要で根本的な課題は、先ほどもあったが、従業員の幸せ。多様性がもたらす様々な視点を力にエンゲージメントの高みを目指すことによって、人材は企業価値向上の成長ドライバーとなって持続的成長をもたらすと考えている(同8ページ)。
23中計では、品質問題を契機として、グループのコンプライアンスとガバナンスを徹底的に強化した。倫理観に満ちた企業風土を醸成するコンプライアンスサイクルは回り始めている。
また、取締役会の実効性を向上し、事業グループ制と機能組織によってグループの結束を強め、ガバナンスも強化した(同9ページ)。
今後も不断の検証で価値創造の基盤をさらに揺るぎないものにしていく。
こうした課題は、各分野でKPIとゴールを設定し、進捗を中期経営計画の中で厳しく管理している(同10ページ)。
これまで着実な進捗を積み重ねているが、遅れがあれば必ずキャッチアップする。課題ごとにリスク、機械、側面、このウェイトは異なるが、11ページのサステナビリティ経営のロードマップに沿って、目標に向かって全力で取り組んでいる。
まだトラブル対応の段階にある品質保証体制も未然防止、そしてさらにトップ品質化を目指し、未来を見据え、これからも果敢に挑戦し続ける。
同社グループのサステナビリティ経営は、MSCI ESGレーティングで2017年以来継続してA評価、これをいただいている(同12ページ)。今後も、社会的信頼の向上にも挑戦し、期待を超える価値を創造していく。
11月7日には、今年の統合報告書2025を発行した。サステナビリティ経営の取り組みを全ページにわたって報告しているので参照。
(IRuniverse 井上 康 )