神戸製鋼所は1日、フェロモリブデン・フェロバナジウムの主要サプライヤーである太陽鉱工がマレーシアにて新たに立ち上げる使用済み脱硫触媒のリサイクル工場であるTaiyo Koko Malaysia Sdn. Bhd.(太陽鉱工マレーシア社)に資本参加すると発表した。
太陽鉱工マレーシア社では、マレーシア・パハン州クアンタン市ゲベン工業団地にて、石油精製所から発生する使用済み脱硫触媒を回収し、含有するモリブデンやバナジウムを分離。分離後は、モリブデン酸や五酸化バナジウムとして日本に輸出され、太陽鉱工社によってフェロモリブデン、フェロバナジウムに加工される。なお、神戸製鋼所はこれらの原料を、特殊鋼を中心とした鉄鋼製品の製造に使用している。
現在、太陽鉱工社においてモリブデン・バナジウムの調達は、海外輸入比率が高く、かつ特定の地域に偏在している。さらに、国内の石油精製量減少に伴い、使用済み脱硫触媒の国内発生量も減少傾向にあるという。
こうした背景を踏まえ、当社は本事業への資本参加により特殊鋼を中心とした鉄鋼製品のサプライチェーン強化を図る。また、資源リサイクルによる環境保全や、マレーシア国内の地域経済活性化、雇用創出にも貢献していく考えだ。
(IRuniverse K.Kuribara)