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ミライアル 26/1期3Qもシリコンウェハー搬送容器が低迷

2025/12/09 10:04
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ミライアル 26/1期3Qもシリコンウェハー搬送容器が低迷

 26/1期3Q決算を12月8日の14時30分に発表した。売上高、営業利益とも会社計画に未達となるも、株価はポジティブに反応した。プラスチック成形でシリコンウェハー搬送容器の需要低迷が継続、3Qのプラスチック成形事業の営業利益は前年同期比35.5%減となり、成形機が営業増益もカバーし切れない状況となった。会社は初めて開示した26/1通期の営業利益は640百万円、前年比55.4%減と、4Qも稼働率の低迷、減価償却負担増から収益低迷を見込む。

 

26/1期1~3Qは半導体向け売上げ6%減が響き営業55%減益に

 半導体シリコンウェハーの出荷容器(FOSB)及び製造工程内容器(FOUP)で信越ポリマーとともに世界市場を席捲する同社の26/1期1~3Q決算は売上高9,402百万円(前年同期比8.5%減)、営業利益465百万円(同55.1%減)と会社計画(売上高95億円、営業利益49億円)に対しては若干だが未達となった。プラスチック成形事業が売上高8,508百万円、前年同期比5.8%減とシリコンウェハー搬送容器や製造装置向けの高機能樹脂製品からなる半導体関連の売上高が同5.9%となり、セグメント営業利益が868百万円、同27.7%減と低迷が続いている。成形機事業も売上高1,097百万円、前年同期比22.2%減、セグメント営業利益133百万円、同27.7%減となった。

 半導体市場はAI関連の先端半導体の需要が好調な半面、レガシー半導体の低迷が続いている為、長期契約した半導体メーカーのウェハー在庫の積み上がりの影響が出荷用容器(FOSB)の需要にネガティブに作用し、半導体製造工程内での搬送用容器(FOUP)も投資計画の遅れの影響が出ている。同社が注力する製造装置向け高機能樹脂製品の売上も盛り上がりに欠ける状態にある模様だ。この結果、半導体関連売上は7,906百万円、前年同期比5.9%減とプラスチック成形事業全体の減収率を0.1㌽%上回る状況になっている。

 

3Qは半導体関連が15%減収、営業利益は35.5%減に

 3Qの3ヵ月間(8月~10月)では、売上高3,062百万円、前年同期比4.5%減、営業利益131百万円、同35.5%減と連結ベースでの減益率は縮小している。これは成形機事業が売上高334百万円、同18.2%増、セグメント営業利益61百万円、同96.8%増と増収増益になったことによるもので、プラスチック成形事業は売上高2,833百万円、同3.6%減もセグメント営業利益105百万円、同62.9%減となっている。

プラスチック成形で新規自動化設備の搬入のため8月に稼働率を落とし、減価償却負担の増大もあり営業利益156百万円、前年同期比23.2%減を計画していたのに対し未達となった。3Qの半導体関連の売上高は2,295百万円、同15%の減少と減速度合いが加速している。競合と単純に比較はできないが見劣りする実績にある点は気になるところだ。減価償却費は今下期に向け増加基調にあるが、3Qの前年同期比ではピークアウト感が出ているが、償却前営業利益・EBITDAは478百万円、前年同期比17.4%減と受注の遅れによる稼働率の低迷が影響している状況にある。

 

今通期の営業利益55%減益となる計画を公表も増配へ

会社は26/1通期の計画を初めて開示し、売上高12,780百万円(前年比8.7%減)、営業利益640百万円(同55.4%減)と計画する。決算説明資料において、「半導体市場において先端品の需要が旺盛な一方で、既存品の需要回復には一定の時間を要しているなか、緩やかな回復基調が継続するものと見込まれ」、「成形機事業は自動車業界の動向など一部不透明な状況は継続するものの、受注状況は緩やかに回復していくと見込まれる」。そのため工場の稼働率の低下や減価償却負担増から、今26/1期は営業減益の見通しとなるとする。

29/1期に向けての中期経営計画では、シリコンウェハー搬送容器事業を深耕しつつ、成長市場での事業拡大が見込める高機能樹脂製品、成形機の事業に経営資源を振り向け、ポートフォリオの改革による企業価値の向上に注力する。29/1期に営業利益47億円、ROE11%とする目標を据え置いているが、今26/1期から新たに配当性向の指標を「総還元性向30%またはDOE2%のいずれかを下限とする安定配当」に見直し年間配当を10円の増配を決定している。

 

IRUの収益回復は来下期以降との見方は

 今後の業績回復の見通しは、半導体ウェハー出荷容器(FOSB)の回復力、半導体メーカーの製造工程内で使用するウェハー製造工程内容器(FOUP)の受注状況に依存することになる。熊本での自動化ラインの導入に伴う減価償却負担増は今下期から来上期にピークを迎え、レガシー半導体向けのウェハー搬送容器がデバイスメーカーの手持ちウェハー在庫が依然、高水準あり従前に比べ回復力が鈍い状況にある(主要顧客のSUMCOの見解)。また、半導体製造装置向けの高機能樹脂の需要や中国向け需要の懸念が依然としてある。IRUでは業績は早ければ来27/1期下期から回復経路に入る可能性との従来の見方を変更する必要はないと判断する。

 

 

 

(IRuniverse 叶 一真)

 

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