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オハラ  半導体露光装置向けの在庫調整、レア―スコスト負担から営業39%減益へ

2025/12/12 16:45
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オハラ  半導体露光装置向けの在庫調整、レア―スコスト負担から営業39%減益へ

25/10通期決算が12月11日に発表されたが、営業利益が会社計画に未達の18億円弱、前年比18%減となった。カメラレンズ向けが実需ベースの生産に戻ったが、半導体露光装置用の高機能ガラスの在庫調整からエレクトロニクス向けの稼働率低下、レアアースの調達コスト負担などが影響している。この影響は今上期まで続き、米関税のコスト負担もあり今26/10期の営業利益は11億円、前年比39%減との厳しい見通しを公表した。

 

25/10期は光事業の改善が小幅にとどまり、営業17.6%減と会社計画からは下振れに

25/10期は売上高289億円、前年比2.5%増、営業利益17.9億円、同17.6%減となった。売上高はデジカメ向けの需要が底堅い光事業のプレス品が上振れとなり会社計画275億円から超過達成となったが、営業利益は会社計画19億円には未達となった。

光事業のセグメント営業損益が799百万円の損失と会社計画に対し2億円弱の未達となった。台湾でのエレクトロニクス製品への生産シフトによる生産性改善や価格改定の効果が出ているが、原材料高、プロダクトミックスの悪化、レアアースのコスト負担などで1百万円の損失削減にとどまった。

エレクトロニクスは石英ガラスが6.2%増収となるも半導体露光装置向けの在庫調整の影響で特殊ガラスの売上げが7.7%減となったことが響き、セグメント営業損益は25.9億円、前年比12.9%減益となった。AIサーバー向けの低誘電ガラスの売上が計画線の5億円となり、減価償却費や研究開発費の負担減もあり、会社計画25億円に対しては93百万円の上振れとなっている。

 

4Qの営業利益は57%の大幅な減益に。実質的には収支トントンの厳しい状況と推察される

4Qの3ヵ月間では売上高が光学プレス品の需要が好調であり、特殊ガラスの売り上げも前年同期比0.4%だが増収に転じたことから78億円強と前年同期比10.7%増となるも、営業利益は223百万円、同56.9%減となった。光事業のセグメント営業損益が384百万円に損失が拡大したことが影響している。エレクトロニクスのセグメント営業利益は606百万円、前年同期比0.7%増と下げ止まった感はある。特殊ガラスの需要低迷は継続しており、石英ガラスの好調と減価償却費、研究開発費の減少によるコスト面の要因もあり単純にはポジティブな動きとは捉え難い。

減価償却費が会社想定から16百万円の未達となり、期末にかけての円安の増益要因もあったことなどから推察するに、4Qの実質的な営業損益は収支トントンの厳しい状況にあったとみられる。

 

今26/10期は下期回復も営業38.7%減益の計画

会社は今26/10期の期初計画では、中間期が営業利益3億円、前年同期比71.5%の大幅な減益となり、下半期には8億円、同7.7%の増益転換となるも、通期では11億円、前年比38.7%減の計画となる。光事業ではデジタルカメラ向けレンズプレス品の需要が堅調に推移するも、レアアース対応コスト負担から営業損失の削減も限定的になる見込み。エレクトロニクスでは半導体露光装置向け特殊ガラスの在庫調整が上期末まで続く見通しであり、米関税政策によるコスト負担もある。今下期にかけてはAIサーバー向けの低誘電ガラスが需要見合いの生産能力となり、通期では売上高10億円の計画を達成できる見込み。エレクトロニクスのセグメント営業利益は下期にプロダクトミックスの改善から持ち直しになる計画も、通期では18億円、前年比30.6%減の計画となる。

 

中計の目標には未達も、積極投資計画は変わらず

今26/10期は中期経営計画の最終年度に当たるが、半導体露光装置市場向け製品の在庫調整の長期化など事業環境の想定からの乖離から営業利益37億円の目標には未達となる公算が大きい。これに対し、会社は計画達成が厳しい中でも、事業環境の悪化は一時的な要因もあり、それによる戦略的な新製品の一部の立ち上がりが遅れているとの認識である。需要が伸びる見込みの半導体露光装置向けの高機能ガラスはラインアップを広げ、半導体フォトマスク向けの石英ガラスも熔解工程、加工工程の設備増強投資を予定する。また引き合いの強いAIサーバー向けの低誘電ガラスは台湾での量産対応を進め、今26/10期には売上げ10億円に拡大、低膨張性への対応の開発も進め大型製品に育成する構えだ。また新規製品として立ち上げが遅れていた蓄電材料の「LICGC™PW-01」は液系リチウムイオン電池メーカー1社から電池部材としての材料認定を取得でき新たな製造ラインの設置を予定する。

 業績は一時的に低迷する中でも将来に向けた積極的な設備投資は継続する。前25/10期の設備投資額は2,428百万円と前期比36.3%増となったが、今26/10期にも26億円の投資を計画している。

 

 

(IRuniverse 叶 一真)

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