三菱マテリアルとＵＢＥの折半出資会社 ＵＢＥ三菱セメントは23日開催の取締役会で、2027年3月末を目途に、九州工場苅田第二地区（福岡県京都郡）でのセメント生産を停止し、同地区を既設の設備を活用して各種廃棄物処理に特化したリサイクル推進拠点とする決議をしたと発表した。セメント生産は同苅田第一地区に集約する。生産体制の再構築により、九州工場全体の生産設備の効率化を目指す。
九州工場苅田第二地区は1964年 に生産を開始。セメント製品（普通セメント、高炉セメント）の年産能力は1,500 千tになる。 また、取扱廃棄物品目は廃プラスチック類、金属くず、ガラスくずなど、17品になるという。
セメント業界を取り巻く事業環境は、国内需要の減少と輸出採算の悪化などを背景に、一段と厳しさを増している。同時に、2050年の実現を目指す同社のカーボンニュートラルを巡って、熱エネルギー代替率の向上が最重要施策の一つとなってきている。こうした状況を踏まえ、今後の最適な操業体制の確立とセメント事業の競争力強化を目指して、体制の見直しを決めたという。
なお、三菱マテリアル、UBEの両社は、今回の体制見直しに伴う、26年3月期連結業績への影響は軽微としている。
（IRuniverse G・Mochizuki)
