12月23日、経済産業省と環境省が主催する指定再資源化製品ワーキンググループ(第2回)およびリチウム蓄電池使用製品の回収・リサイクルワーキンググループ(第2回)が開催された。
本ワーキンググループではこちらの資料をもとに1.指定再資源化事業者の判断基準、2.自主回収・再資源化事業計画の認定に係る基準等について説明及び議論がなされた。前編では、1.指定再資源化事業者の判断基準について紹介する。
1. 指定再資源化製品に係る判断基準
指定再資源化事業者の判断基準は改正資源有効利用促進法(以下、改正資源法)第53条に基づいている。指定再資源化製品は、製造事業者等が実施すべき自主回収および再資源化の在り方を具体化するとともに、自主回収・再資源化事業計画の認定に係る判断基準等を定めるものである。今回の追加指定は、特にリチウム蓄電池の発火リスクへの対応を重視しつつ、パソコン等の既存制度を参照しながらモバイルバッテリー、携帯電話、加熱式たばこ機器の追加3品目を指定再資源化製として指定し、リサイクル化を義務付ける。
(1)自主回収の実効の確保その他実施方法に関する事項
指定再資源化事業者には使用済指定再資源化製品の自主回収を確実に機能させるため、回収場所の設置や回収ボックスの整備など、必要な措置を講じることが求められる。また、回収時には原則として対価を徴収しないこととされ、事業活動に伴い発生したもの等、正当な理由がある場合のみ例外が認められる。
加えて、他事業者への委託による回収を行う場合には、委託先から実施状況の報告を受けること、単独又は共同で実施した回収状況を公表することなど、透明性の確保が求められる。加工・修理・販売事業者に対する協力要請についても規定されており、流通段階を含めた回収体制の構築が重視されている。
【検討テーマ1】表示等義務の要否
消費者における自主回収の認知を高める観点から、製品本体、取扱説明書、店頭表示、Webサイト、SNS等、製品特性に応じた多様な方法により、自主回収を行っている旨を周知することが重要とされる。必ずしも製品本体への表示を一律に義務付けるものではなく、事業者が自主的に実効性のある取組を講じることが求められる。
また、施行時点で対応が未了の製品について直ちに基準違反とするのではなく、運用面で取組の促進を図ることとされている。
【検討テーマ2】回収目標の設定・公表
全国一律の回収目標値を直ちに設定することは、流通・廃棄実態が十分に把握されていない現状では困難である。一方で、自主回収の実効性を高めるため、当面の間は指定再資源化事業者が自ら定量的な回収目標を設定し、その達成に向けた取組および実績を公表することが適当とされている。国はこれらの実績を集約・モニタリングし、将来的な一律目標の法定化等の検討につなげていく。
(2)再資源化の目標及び実施方法
再資源化の目標については、リチウム蓄電池で30%以上、重量1kg超のノート型パソコンで55%以上とされ、各事業者はこれを下回らない水準で目標を設定する必要がある。再資源化率は、回収重量に対する再生資源または再生部品として利用可能な状態にされた重量の割合により算定される。
実施方法については、技術的・経済的に可能な範囲で、再生部品の活用、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルの順に優先し、環境負荷低減に資する方法を選択することとされている。他者に委託する場合には、実施状況の報告徴収および年度ごとの公表が義務付けられる。
パソコン部品のの混合廃棄物など、再生利用できないものについてはサーマルリサイクルに努めること、関係法令を遵守し、原材料の特性を踏まえた安全確保を行うことが求められる。
(3)市町村との連携
リチウム蓄電池やパソコンに関して、市町村から引取りを求められた場合には、あらかじめ公表した条件に基づき、適切に分別されたものを引き取ることが求められる。特にリチウム蓄電池については、乾電池等の混入や機器未分離といったリスクを踏まえ、適切に回収されたものは無償または有償で引き取る旨が規定されている。
質疑応答
ワーキンググループでは本内容に関する意見や質問が積極的に飛び交った。議題は大きく4つに分かれ、それぞれについて意見や認識の共有が行われた。
①リチウム蓄電池の識別・表示に関する課題
電源装置や蓄電池単体が電池マーク等によりリチウム蓄電池であることが比較的容易に判別できる一方で、製品内部に組み込まれた場合には、消費者や回収側が電池の種類を判別できないケースが多いとの指摘があった。特に、外観やパッケージ、本体表示に情報がない場合、適切な分別・回収につながりにくいとの懸念が示された。
本件に関しては必ずしも本体への表示に限定せず、パッケージ、説明書、Web等を含めた多様な方法で、リチウム蓄電池使用製品であることを分かりやすく伝える工夫が重要であるとの認識が共有された。
②製品の故障と修理可能性に関する論点
リチウム蓄電池使用製品ではバッテリー以外の部品が故障した場合であっても、修理が困難で結果的に廃棄に至るケースが少なくないとの指摘があった。この点についてはメーカーに対し、部品の周囲設計や構造面での工夫、修理・分解のしやすさへの配慮を求める意見が示された。
一方で、スマートフォン等の小型電子機器と大型製品とでは構造や流通、修理の実態が異なるため、一律の対応は難しく、製品特性を踏まえた整理が必要との認識も示された。
③表示義務化に対する慎重論
電池へのリサイクルマークなどの表示については必要性を認めつつも、利用時の機能と直接関係しないマークを本体に付すことへの慎重な意見も出された。
誤解を招く表示や、消費者にとってかえって分かりにくい表示となる可能性があることから、「できるだけ」といった努力義務的な位置づけや、柔軟な運用が適切ではないかとの考えが示された。
④消費者の排出行動と情報提供の重要性
消費者が製品を廃棄する際には、「捨て方」を調べようとしても情報が分かりにくく、結果として適切な分別がなされない場合があるとの指摘があった。
そのため、回収時点で初めて表示に気づくのではなく、日常的に目に触れる形での情報提供や、捨てる前に確認できる導線の整備が重要であるとの意見が述べられた。
これらを踏まえ、制度設計にあたっては、過度な義務付けを避けつつ、自主回収の実効性を高める観点から柔軟な対応を促すことが重要との方向性が示された。
「経済産業省・環境省が指定再資源化製品ワーキンググループ/リチウム蓄電池使用製品の回収・リサイクルワーキンググループを開催(後編)」に続く
(IRuniverse Midori Fushimi)